【MTG】 RtRのトークン生成+居住カードのデザインについて
本日13時、RtRフルスポイラーが公開された。
ラヴニカへの回帰 カードギャラリー : Wizards of the Coast
http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/returntoravnica/cig
気になったのは、トークン生成のあとに居住を行う一連のカードについて。
角呼びの詠唱
(7)(G)
ソーサリー Common
トランプルを持つ緑の4/4のサイ・クリーチャー・トークン1体を戦場に出し、居住を行う。(あなたがコントロールするクリーチャー・トークンのコピーであるトークンを1体戦場に出す。)
狩猟者の協定
(4)(W)(G)
ソーサリー common
緑の3/3のケンタウルス・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。その後、居住を行う。
トークン生成と居住が一体になったカードをデザインするのはとても自然だが、《狩猟者の協定》や《角呼びの詠唱》のような「重くて強い1体」のトークンを生成するカードと居住をセットにしても居住はまったく活きない。これはよくないデザインだと思う。
4/4トランプルのサイより強いトークンが出ていることはまれなので、《角呼びの詠唱》は「(7)(G)ソーサリー、4/4トランプルのサイを2体出す」とほとんど変わらない。トークン生成+居住カードは、コストが重たくなるほど、最初からそのマナでトークンを出せるカードと差別化ができなくなっていく。これではわざわざ居住をテキストに使ってデザインする意義が薄い。
通常のトークン生成になくて居住にだけある特殊性は、場を整えることで得られるボーナス・報奨の快楽だ。「コストが重たいが強いトークン」を「軽い居住」で増殖するパターンが居住のカタルシスを最大化する。このカタルシスこそ通常のトークン生成では得られない最大の差別要素なのだから、居住とセットにするトークン生成カードは軽くて弱いものにしたほうが互いの効果が立つ。たとえばこのような。
鉄の樹の声
(1)(G)
ソーサリー
緑の1/1の苗木・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。その後、居住を行う。
なお、このデザインだと「プレイ渋り」が起こる可能性もある。強いトークンが出て大きいリターンが得られるようになるまで、低コストカードであるにも関わらず序盤にプレイを控えるようになるのだ(INV時代のキッカーのように)。とはいえそれは現状の居住でもすでに起こりうることなので、特に問題はないと考えてよいのかもしれない。
プレイ渋りを防ぎたい場合は、序盤にためらいなくプレイできるようなデザインにする必要がある。
要するに、プレイした後で居住が行えるデザインにすればよい。
樫の樹の拳
(1)(G)
エンチャント ― オーラ
エンチャント(クリーチャー)
樫の樹の拳が戦場に出たとき、緑の1/1の苗木・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。エンチャントされているクリーチャーがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、居住を行う。
戦鳥の売り子
(2)(W)
クリーチャー― 人間
1/1戦鳥の売り子が戦場に出たとき、飛行を持つ1/1の白の鳥・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。
戦鳥の売り子が死亡したとき、居住を行う。
このようにトークン生成と居住のタイミングを別々にすることで、「(場を整えれば)ローコストで大きいトークンを」という居住の特性もうまく活きる。
重いトークン生成 + 居住をデザインしたい場合は、このようにタイミングを分けてデザインしてやるのがいちばんスマートだ。
あるいは、3/3ケンタウルスや4/4トランプルサイを1体ドカッと出すのではなく、弱いトークンをワラワラ出すようにしてやってもよい。
志願兵の協定
(4)(W)(W)
ソーサリー
白の1/1の兵士・クリーチャー・トークン4体を戦場に出す。その後、居住を行う。
このようなカードならば、トークン生成後に居住することにより強い意義が出てくる。
他のカードデザイン論の記事