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TCGデザイン論に関するブログ

【MTG】 異界月プレリレポ。青黒で2-1、白黒で3-0。結論:白強い。

 

 前回:

 

 

前回から早くも三ヶ月。

7月18日(日)に行われた異界月/Eldrich Moonプレリリースパーティに二回連続で行ってきました。

今回もカードプールと構築の記録を簡単にメモ。

 

 

環境の印象

 

今回はあんまりカードリストをじっくり眺めるヒマがなかったけど、SOIから弱小色がだいぶテコ入れされてる印象はある。

特にSOIで明らかにババ引かされてた青が露骨に今回テコ入れされてる感じ。2マナ3マナの生物が明らかに普段よりタフネス1ぶん大きい。

 

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いつもなら1/2とか2/2のスペック。

 

対して今回、赤があんまりパッとしない感触。単体で戦える優秀な狼男が減り、窯の悪鬼や吸血鬼などの絡め手がより強くなった感じがある。

EMN単品で見たら個人的には白>緑>青>黒>赤ぐらいの感覚でいた。(青評価しすぎか?) 

 

とはいえSOIシールド自体ぜんぜんできてないし、正直いって今弾のシールド環境の理解度はかなり低いです。事前印象もクソもないな……。

 

 

というわけで粛々と開封の儀に映るのである。

記事中のカード画像はいつもどおり、公式カードリストからの引用。

 

 

開封

 

出たレアが

 

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ガイアー岬がプロモフォイル。

構築観点で見ると30点ぐらいの引きだがシールドだと50点くらいはあげられそうな内容だ。《霜のニブリス》も《闇の救済》もゲームの決着要因になりうるカードだし、無色3マナ3/3の万能性はマナカーブを埋める上でかなりありがたい。

 

 

というわけで各色別のカードプールはこちら。

 

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白。生物はどれも及第点だがやや寂しい枚数。

スペルに至っては使用に耐えうるものが1枚もない。

 

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青。

レアはそれなりで、スピリットシナジーも十分量ある。スペルシナジーを要求するカードも多い。

ただ肝心のスペルがいかんせん弱めか。低マナ域もかなり厳しい。

 

 

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3体の《夜深の死体あさり》が強烈に印象に残るが、やっぱり低マナ域がほとんどない。除去のスペックには惹かれるものがある。相方で生物を補填できれば。

 

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赤。《稲妻織り》と《気まぐれな霊》+《正気の欠片》はアツい、が、肝心のスペルの質があまりよろしくない(ソーサリーが弱くて《正気の欠片》が活きない)。それ以外のクリーチャーは総じてアグロ気質で、ちぐはぐなプール。

 

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緑。枚数は潤沢だが、マナカーブバランスはぎりぎり及第点といったところ。

強みになる部分がなくパッとしない。他のボムカラーのカーブを埋める捕色的な印象。

 

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無色と多色。地味なラインナップだが3マナ生物を無色で補給できるのはおいしい。

 

並べて見ると、青・黒は強みのあるプールだが低マナ域が弱く、白・緑はクリーチャーのカーブを埋められるがこれといった強みがない、赤は呪文とクリーチャーの傾向がちぐはぐ。

というような印象を持った。

 

ひとまずレアの多かった青を机に並べ、順番に構築を検討していくことにした。

 

 

構築

 

最初に組んだのが青黒ゾンビ&スピリット。レアで選んだ。

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2マナ域があまりにも弱すぎる。インスタントソーサリー6枚しかないのにマナカーブ埋めのために《ホムンクルス》を泣く泣く採用しないといけない状態。3マナ域もそこまで線が太いとは言い切れない。

それと《夜深の死体あさり》3枚はさすがにやりすぎ感漂う。(1枚は《スレイベンの異血種》のほうがいいか)

ディスカード手段が多いのでグレイブディガー能力はまずスカらないようには見えはする。

5マナ域まで地上を流せたらあとはサルベージでグダらせて飛行で刻める構築だが、果たしてうまく延命できるかには不安が残る。

 

 

いちおう青赤果敢も見てみる。 

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見てのとおり採用されてるラインナップにかなり無理がある。序盤数ターンは1マナ吸血鬼さんにどうにか盤面維持してもらおうという感じなのか。さすがに頼みの綱が細すぎる。

スペルクラフトデッキだが肝心のスペルの性能がかなり微妙だ。特化構築を求めるわりに見合った爆発力がない。

 

 

続いて白緑人間。

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さすがにマナカーブはかなり綺麗だ。グリフ2体に+2/+2装備品というプランもある。

ただスペルが弱い。《恩寵借用》のような全体強化スペルが1枚あれば完成度はぜんぜん違って見えたのだが。

 

 

と、このあたりで構築時間が終了。のんびりやりすぎた。まだまだ構築を検討していない組み合わせがあるのだが仕方なし。

 

この3つだと白緑人間が安定しているように見えるが、それは前回さんざん遊んだせいで既視感が強かったので、とりあえずレアを大量に使える青黒を選ぶことにした。せっかくのプレリだし新鮮なカードをたくさん使いたい。

 

というわけで、2マナ域激細の青黒を片手にいざ対戦席へ。

 

 

戦績

一試合目:黒緑t青赤

どちらも相手の立ち上がりが遅く珍しいことにダメージレースで勝てた。

○○

 

 

二試合目:赤緑狼男

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いきなりウルリッチが降臨して背筋が凍るが、変身前にX=4の《闇の救済》がウルリッチにギリギリで届いて勝ち。二戦目も相手が序盤詰まった隙にクロック維持して勝ち。

○○

 

 

三試合目:緑白アグロ

第一ゲーム、相手ダブルマリガンするもこちらのクロックが細く、大して優位を取れないまま《ハンウィアーの民兵隊長》《異端聖騎士、サリア》が着地。変身を防ごうと《民兵隊長》を二回バウンスして時間を稼ぐも、《サリア》にダメージレースを破壊されて死亡。

後に隣で見ていたベテランプレイヤーに話を聞くと、変身は一回通して《荒原のカカシ》を先に着地、《沼》2枚を引っ張ってきてから《殺害》を打ち込んだほうが良かった、とのこと。

相手ダブマリで土地詰まり気味だったので、スクリューのうちに勝とうと焦りすぎた(結果《サリア》にレースを狂わされた)。ダブマリだからロングゲーム指向でアドバンテージ勝負しかけたほうがよかった、と言われて、さもありなんといった感じ。戦っているときはまったく気づかなかった。アホ~!

第二ゲームも地上と飛行でダメージレースになるが、単純に押し負け。

××

 

 

結果、○○○○××で2-1。

 

反省

 

試合終了後にアドバイスをもらったところ、どうも白黒で組むのが正解だった様子。

 

 

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白は生物10枚のみ(スペル0枚)というプールの乏しさから、無意識のうちにアグロ以外の構築プランを排除してしまっていたが、これが最大の間違いだった。

白黒の相打ちミッドレンジを組むべきだった。

序盤は生物同士のトレードで凌ぎ、3枚のグレイブディガーで終盤に消耗からリカバリーする。クロックは必要量揃っているし、何より3マナ2/2飛行が2枚あるのが太い。マナカーブも美しい。

 

青黒はやはりというか序盤の線が細すぎ、必要なトレードが一回り遅くなって負けることが少なからずあった。この白黒こそが3枚ある《夜深の死体あさり》をいちばん活かせる構築だった。

どうすればこの構築に辿りつけたかを考えると、枚数の先入観を捨てる。コンセプトとマナカーブの合致をきちんと見る。結局これしかない。

 

 

というわけで一回目のプレリは反省点が非常に多かった。

ちなみにその次の会も連続で参加してきた。

そのとき出たレアはこんな感じ。

 

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レアが9枚もある、しかもリリアナさん出ちゃったよ。

また青スペルクラフト組めみたいなプールですけど……?

 

というわけで全カードプールはこちら。

 

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白。除去あり生物あり、強力オーラに対して回収ギミックあり。文句ないカードプール。

 

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青。《完成態の導師》あり《氷の中の存在》あり《潮からの蘇生》あり、強烈なスペルクラフト思考。ただ生物もスペルも枚数が微妙に足りてない。現出ギミックがあれば物足りない3マナも活きたが……

 

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黒。除去ありボムありリリアナあり。生物が際どい枚数だがどれも採用圏。相方が2マナ圏を補えれば文句ない。

 

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赤。火力はあるが、生物が悲しすぎる。まず普通の構築はできそうにない内容。一応青と組めば《霊魂破》も使ってスペルクラフトが組めなくもない……のか?

 

 

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緑。2枚の格闘除去と整ったマナカーブ。生物のスペックも悪くない。ただしボムがない。進んで選ぶというよりボムカラーのマナカーブを揃えるために選ぶ補色的な立ち位置。

 

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無色と多色。《タミヨウの日誌》強い。装備品4枚ある。昂揚補佐に《テラリオン》もある。平均以上のプール。

 

 

青赤が生物スカスカでスペルクラフト指向、緑がボムないけどカーブは整ってる。

と一回目と似たような既視感の強いカードプール。

違うのは白のスペルが潤沢なことか。

 

 

というわけで今回はメイン構築で迷う要素がなかった。

さっきの反省を活かした白黒ミッドレンジ。

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序盤は相打ちでごまかしつつ終盤サルベージのアドバンテージ差で勝つ。

うむ。まったく既視感の強い構築だ。

 

一回目でアドバイスをもらったプレイヤーに見せたが構築にダメ出しを貰った(《悪魔の棲家の狐》はメインに入らないらしい。マジか……)。

いろいろ指摘してもらったあとに、ぽつり「優勝おめでとう」と言われる。

あらっ、そんなに強いのかしらこのデッキ……まあ自分でも自信はある。

 

 

時間が余ってしょうがないので青赤スペルクラフトや黒緑ミッドレンジ、赤黒吸血鬼なんかも組んでみるが、この白黒を組んだ後ではまったくプレイアブルに感じない。

選択肢に残してもいいかと唯一思えたのが緑白。

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《タミヨウの日誌》まで抜いてのアグロオールイン。

白黒でも勝てないようなボム8枚重爆撃デッキみたいなのを速度で轢くために一応容易した。

これまた全体強化スペルとか《鼓舞する隊長》が1枚あれば完成度が違って見えたのだが……まあサブ構築で贅沢は言わない。

 

 

というわけで今回は自信満々に対戦テーブルへ。以下記録。

 

 

戦績

 

一試合目:白青テンポアグロ

自分先手。相手が2ターン目にプレイした2/1の返しにリリアナ。+1で相手が投了。3ターン目リリアナはゲームになりませんね……。

ただ、先後が逆だったら強化オーラがついてリリアナを崩せていたという。ひょえー、なんちゅう魔境だ。

二ゲーム目、1マリするも除去、除去、ひたすら手札に除去が溢れて勝ち。

○○

 

時間が余ったのでフリーでかなり相手してもらうが、わりとそっちではボコられる。

今回この強化オーラが地獄の鬼のように強い。

 

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たとえば1ターン目《スレイベンの検査官》に2ターン目これがつくと実質ゲームエンド。別に3ターン目に2/2につけてもよい。2ターン目に出た3/4や4/4を自分が死ぬまでに除去できるカードは環境にほとんどない。青のバウンスやタップがせいぜい。

 

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このオーラがヒドイのは、盤面からとりのぞかれても後でコイツ使って回収できること。ドツかれながらもなんとか4/4を除去したと思ったら、5/4飛行のおかわりイージーです。

しかもこのオーラ自分をサクれるのでゲーム終盤は能動的に付け替えできちゃう。

これを地獄の鬼と言わずしてなんという。

 

そんなわけでフリープレイではかなりドツかれてトラウマをもらう。

フリーでよかった。ていうか自分も引きたかったなそのオーラ……

 

 

二試合目:黒緑t赤ミッドレンジ

ミッドレンジにタッチ《ウルリッチ》と火力、みたいなデッキ。

一ゲーム目は盤面を大事にしすぎ、過剰にテイクを受けてしまいライフが6まで落ち込むも、《墓ネズミ》《死体あさり》合体で盛り返す。

二ゲーム目は危うげなく勝ち。

○○

 

三試合目:黒緑t白ミッドレンジ

ギトラグとシガルダにタッチ白の除去オーラみたいなデッキ。トラッカーと調査ギミックも入ってロングゲームでも戦える。地獄の鬼かよ!

一ゲーム目は順当にボコされるが、二ゲーム目では3ターン目リリアナから奥義決まる。3ゲーム目は長引くものの、未達の旅オーラを未達の旅オーラで除去して勝ち。

 

×○○

 

 

○○○○×○○で、無事優勝!

カードプールの引きからするとまあ順当な結果です。配牌運も良かった。

 

 

というわけで計二回参加したEMNプレリはこれにて終了。

 

結論としては白が強い(あたりまえすぎる結論)。

ただでさえ生物優秀な色だったけど、オーラ回収ギミックが加わったことで消耗戦でも戦えるようになってしまった。もちろん巨人の力オーラで雑殴りしたっていい。

黒も5マナグレイブディガーを手に入れたので、黒白の相打ちミッドレンジみたいなデッキはかなりタフなアーキタイプになったんじゃないかと思う。

みなさん白をやりましょう(あたりまえすぎる結論)。

 

というわけでまた次のプレリへ!

次回カラデシュでお会いしましょ~。

 

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