【MTG】公式オリカ企画You Make the Card 4(カードを作るのは君だ) 8枚の候補カードまとめ
Wizards公式によるオリカ企画、You Make the Cardもこれで四回目。
ちなみに過去三回の結果はこんな感じ。
で、今回は黒の全体エンチャント、までを投票で決定したところ。
これまでの内容がこちら。
- カード・タイプは何にするか? (⇒エンチャント)
- 何色を作るか?(⇒黒)
- グローバルとオーラどっち?(⇒グローバルエンチャント)
三回の投票を終え、いよいよ8枚の候補に残ったオリジナルカードのテキストが公開された。
You Make the Card 4 – Rules Bracket
これから、1vs1のトーナメント形式での投票を繰り返し、優勝カードを決定していく。
自分の大好きなオリカ企画! というわけで、
おおざっぱに訳を出しておく。
第一試合
消耗する契約/Consuming Contract
あなたのアップキープの開始時、次のいずれかから1つを選ぶ。「カードを2枚引き、2点のライフを失う。」「クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」「_____」「あなたはゲームに敗北する。」ただし、すでに選んだものと同じものを選ぶことはできない。
(注:「____」には、もともと「あなたはマナ・コストを支払うことなく呪文を1つ唱える。」が入っていたが、他と比べてあまりに強力すぎたので取り除かれた。もしこのカードが勝てば、ふさわしいテキストをさらに投票することになる。)
倍賭け/Double Down
あなたの墓地にある同名のカードを2枚追放する:カードを1枚引く。
第ニ試合
如雨露の血/Blood in the Watering Can
各終了ステップの開始時、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。このターンにあなたがライフを失っていた場合、それをあなたの手札に戻してもよい。
集団ミイラ化/Mass Mummification
このカードは13個の包帯カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
あなたのアップキープの開始時、各プレイヤーのライフの総量は、このカードの上に置かれている包帯カウンターの総数に等しくなる。その後、このカードの上から包帯カウンターを1個取り除く。
第三試合
屍術の復讐/Revenge of Necromancy
いずれかの対戦相手がクリーチャー・カードを1枚捨てるたび、2/2の黒のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。
いずれかの対戦相手が土地カードを1枚捨てるたび、あなたのマナ・プールに(B)(B)を加える。
いずれかの対戦相手が土地でもクリーチャーでもないカードを1枚捨てるたび、カードを1枚引く。
魂宴者の顕現/Soulfeaster's Rising
クリーチャーが1体死亡するたび、そのクリーチャーを追放し、このカードの上に顕現カウンターを1個置く。
このカードの上に5個以上の顕現カウンターが置かれている限り、それは「このクリーチャーはこのカードに追放されたクリーチャー・カードのすべての起動型能力を持つ。」を持つ7/7の黒のデーモン・クリーチャーである。
第四試合
不気味な儀式/Eldritch Rites
トークンでないクリーチャーを1体、生け贄に捧げる:あなたの墓地にある黒のインスタント・カードかソーサリー・カード1枚を対象とし、あなたはそれを唱えてもよい。このターン、そのカードが墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。
悪魔の取引/Demonic Bargain
このカードはその上にX個の終末カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
あなたのアップキープの開始時、このカードの上から終末カウンターを1個取り除き、カードを1枚引く。その後、このカードの上に終末カウンターがない場合、このカードを生け贄に捧げ、いずれかの対戦相手1人のコントロール下で飛行を持ち破壊されない5/5の黒のデーモン・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。
ちなみに、 自分が投票したカードをすべて「上側」にしてある。
いちばん採用してほしいのは《消耗する契約/Consuming Contract》(四つの選択、最後に死ぬ)で次点が《屍術の復讐/Revenge of Necromancy》(死儀礼っぽい捨てるたび効果)。
8枚にランキングをつけるならばこう。
- 消耗する契約/Consuming Contract
- 屍術の復讐/Revenge of Necromancy
- 倍賭け/Double Down
- 魂宴者の顕現/Soulfeaster's Rising
- 悪魔の取引/Demonic Bargain
- 不気味な儀式/Eldritch Rites
- 如雨露の血/Blood in the Watering Can
- 集団ミイラ化/Mass Mummification
消耗する契約は粗はあるがバツグンに面白いカード。フレーバーも芳醇。ただし絶対に加えた方がいい変更があって、それは「このターンの終了時、あなたはゲームに敗北する。」とすべきだということだ。アップキープ死亡では「遊び」がなさすぎる。最期にあがける猶予を絶対に与えるべきだ。いずれにせよ自分には絶対に思いつかないブッ飛んだ発想で心を奪われた。たぶん空白の選択肢はリアニメイトが選ばれるだろう。
屍術の復讐は一位の契約とは真逆で、自分の感性に近いカード。普通のセットに収録されていても違和感のないまとまっているデザインのカードだが、悪く言えば無難で地味。単体で無挙動カードなので最低限役割を持てるクリーチャーにした方が美しいと思う。
あとはほぼダンゴ状態。
ただ、集団ミイラ化だけは断トツで最下位。これが唱えられたゲームは、すべて同じようなミイラ競争ゲームに変わってしまう。ゲームの均質化。一度なら遊べても何回でもプレイしたくなるカードではない。
(太平洋標準時で)5月15日(水)9時まで投票を受け付けている。
実戦で使いたいカードがあればぜったい投票すべしですよ!
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ちなみに自分がこのお題(黒のエンチャント)で思いついたカード。
3番目の《如雨露の血》 を見てふと連想した。
屍術師の血盟/Necromancer's Bloodpledge
(3)(B)(B)
エンチャント
各終了ステップの開始時、いずれかのプレイヤーの墓地にある点数でみたマナ・コストがX以下のクリーチャー・カード最大1枚までを対象とする。それをあなたのコントロール下で戦場に戻す。Xはこのターンにそのプレイヤーが失ったライフの総数に等しい。
At the beginning of each end step, you may return target creature card with converted mana cost X or less from a player's graveyard to the battlefield, where X is the total life lost by that player this turn.
《如雨露の血》は要は《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat(SHM)》の変奏、ないし縮小再生産なのであまり新鮮味を感じなかった。
特に毎ターンの墓地回収はやはりリチャード博士が言うところの「繰り返しのゲームプレイ」を生むので、シグよりも悪いカードになっている。
このカードは自分が攻められているとき、逆に自分が攻めているとき、両方でリターンが得られるようにした。
さらに攻めが苛烈であればあるほどリターンも大きくなる。展開で効果に振り幅があるので、繰り返しのゲーム・プレイの問題もすこしは軽減できる。
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さらにさらに余談だが、《幽体の照明灯》は2chのオリジナルカード品評会スレの住人がミラディンの「カードを作ろう2」に投稿し、後のラヴニカで採用された、というのはけっこう有名な話。
実際のスレでのやりとりをサルベージ。
スランの電池/Thran battery (2)
アーティファクト
(T):対象のプレイヤー1人のマナプールに無色のマナ1点を加える。
ところで、誰かこの能力を英語に訳してもらえませんか。
ウィザーズのに投稿しようと思ってまして。
(Tap): Add one colorless mana to target player's mana pool.
もしくは
(Tap): Target player adds one colorless mana to his or her mana pool.
のいずれか。主語が違うだけで実質はおんなじです。
ウィザーズ社からメールが来ました。
最近メールをみてなかったので気づきませんでしたよw
内容はこんな感じ
>こんにちは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のロン・フォスターです。突然のメー
>ルにて失礼いたします。
>貴方が「カードを作るのは君だ!」というインターネットプロモーションに投稿して
>くださった能力は、採用候補として選ばれました。おめでとうございます。
>投票が終わりますと、採用候補に選ばれた能力を考えたものの名前などを公開します
>ので、そのため下記の情報が必要です。
>お名前
>メールアドレス(これは公開されません。)
>デザイン名
>デザイン名とは、カードの正式な名称が決まるまで、サイト上で使われる仮名です
>例えば、「忘れられた古霊」のデザインネームは Mr. Babycakes (筋肉モリモリさ
>ん)でした。デザインネームを考えるとき、卑劣や猥褻的な表現を使わないことと、
>これはクリーチャーでないアーティファクトカードに使われることを考えてお作りく
>ださい。
>では、返事をお待ちしております。よろしくお願いします。
>ロン・フォスター
そして2005年のCard of the dayでこのことが語られる。
すげえなあ…。採用されたらロン先生からメールくるんだな。
この1thさん、今でもオリカスレにいるのだろうか……。