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TCGデザイン論に関するブログ

【MTG】 ドラゴンの迷路/DGM 深夜プレリに行ってきた 雑感

日付が27日に変わると同時に開催される深夜プレリリースパーティ。

今回も参加してきました。0時スタート6時終了。

 

 

 

画像はMTG公式サイトから、カードテキストはいつもどおりWisdom Guild様より。

 

今回の配布物

 

選択ギルドはアゾリウス。過去二回で弁当箱だと揶揄された紙パックケースは今回配布されず、全ギルド共通のコンパクトなプラスチック・ケース(スリーブ入りのカードが50枚ぐらい入るサイズ)を渡される。

オレンジ色の意匠の透明柄で、いちばん上に選択ギルドのエンブレム・カードが入っているのが透けて見える。こうして参加者は自分の望むギルドが手に入れることができる。

 

 

こんなマークが印刷されたトークンカードという感じ。裏面はいつもの広告。後で触れるが今回ライフカウンターが配られないのでせっかくならライフカウンター的に使える機能が欲しかったな。

 

 

そしてこのケース、背面も透明なのだがひっくり返すと裏面にはサブギルドのエンブレム・カードが同じようにレイアウトされているのが透けて見える。ランダム選択と聞いていたサブギルドが実は外側から判別可能なのには驚いた。

 

それから今回はライフカウンターが配られない代わりにギルド・エンブレムのバッジ10種類が用意されている。自分の選択ギルドのバッジをもらう。シャツにピン留めするもよし。

自分のところではメガネフレームにエンチャントしている人たちがいてROCKだった。

 

 


なおサブギルドはディミーア(この時点ですこし凹む)。

構築時間30分。午前1時10分から第一回戦がスタートというクレイジーっぷり。



 

 雑感

 

  • GTCはリミテッドのアーキタイプやギルドの役割分担がかなり丁寧に誘導されており、選択ギルドによってまったく違ったプレイ感を楽しむことができたが(アグロな赤絡み2ギルド、変化球の青ギルド2つ、壁のオルゾフで戦略の違いを楽しむことができた)、今回は10ギルドごった煮によりカオス感が一気に強まる。

    前回のようなギルドごとに独立した戦略の垣根は薄まり、ギルド関係なく開けたカードの中から強いものを取ってくるパワーカード構築になりがちだった。まあ、いつものシールド環境に戻ったとも言える。


  • しかしグルール-ラクドス-ボロスの赤絡み生物ギルドをメインに選んでサブに残りのどっちかが入ると、ボムに依存しない超攻撃的なデッキが組めるようで、そうなると苛烈な攻めを凌ぐ防衛戦のようなゲームになる。対戦趣向ががらりと変わって面白かった。

 

  • しかしこれらが絡まない残りの組み合わせとなると、前評判通りの膠着環境だった。地上はタフネス4が環境標準でパワー3では突破できない、タフネス4の飛行を殺せないなど。

    オパール湖の門番


    なので序盤はコモンのにらみ合いと同士討ちで時間を稼ぎつつ、導き石で6マナ7マナに到達してボムで打開。膠着戦を一気に傾ける、というゲームが多かった。


 

  • そんなわけでボロラクグル以外の7ギルドは、赤系による超速攻と、それ以外が狙う膠着戦からのボム対決、二極化した速度の両方に対応できるような構築が求められていた。

    ボロラクグルの本気速攻を相手にするならば相打ち用の2マナ熊や3マナ以下の壁は絶対必要、しかしそれ以外のギルドならば高確率で膠着戦からのボム勝負になるわけで、壁なんかよりも必要なのはドローやハンデスやカウンターになる。



    破滅小径の悪党 つぶやく幻



  • ボロラクグルかそれ以外かによってデッキに必要なカードが極端に変わるので、最初っから対ボロラクグルと対それ以外とでサイドボーディングプランをしっかり考えておく必要がある。

    前者ならばマナ域をかなり落として対応する場合もあるので、変更後のマナバランスなんかもしっかり考えないといけない。導き石を1枚切って壁に変えるとかもある。




  • それ以外だと、膠着戦をサイズで突破可能にする強化オーラの強さが目立った。+3/+0単独ブロック不可オーラ《向こう見ずな技術(GTC)》の突破力が特に光った。自分も5マナ騎士トークンオーラ《騎士の勇気(RTR)》にはかなり助けられた。

    向こう見ずな技術

 



  • だがそれ以上に、DGMプレリ環境は奪取最強の環境であると感じた。

    DGMプレリは長期戦指向により生物のサイズが全体的に大きくなっているため、《反逆の行動(GTC)》系カードがゲームに与えるインパクトもまた大きくなっている。
    単純にクリーチャー数で+2差をつけられるだけで膠着戦を切り開く突破口にもなりうる。ボロラクグルの超速攻に奪取が合わさると手がつけられない。


    《裏切り者の本能(RTR)》《反逆の行動(GTC)》は10点満点のカード。《溶解区の門番(DGM)》は素直には使えないデザインになっているが、これをうまく使えるボロス-ラクドス-グルールが組めたら地獄のような強さになる。



    反逆の行動

 

 

 

 

 

  • 最後に自分の戦績。
    使ったデッキは青黒t白。アゾリウスを選んだものの白生物不足なプール。
    暗号も強請も1枚も入ってない除去飛行という感じのデッキで、戦績は

    グルール+シミック(緑赤青) ◯××
    シミック+イゼットtゴルガリ(白抜き4色) ×◯◯
    ラクドス+グルール(赤黒緑)  ××
    イゼット+シミック(青緑赤) ◯××
    オルゾフ+シミックtゴルガリ(赤抜き4色) ◯◯

    で負け越し。
    前回はディミーアでうまいこと勝ち越せたが、今回はダメダメ。


  • セレズニアに当たらなかったのは彼らが上位卓に固まっていたからだと思う。セレズニア・ラクドス・ボロスがうちでは上位三強で、青絡みのギルドは下位卓に集まっていた印象。
    DGMプレリでは赤ギルド・白ギルドが勝ち組のようだった。

 

  • 「迷路走破」企画だと、一位通過(ギルド人気&勝率トップ)はラクドスだった。次がボロス。その次にセレズニア、アゾリウス、オルゾフが団子で次に大きく離されてイゼット、そして最後にひとりぽつんとディミーア……。

 

  • そう、今回うちのとこではディミーアを選択する人が一人もいなかったそうです。
    ディミーアさんだけ最後までスタート地点にぽつんと一人残されてました。
    みなさん、二回目三回目の参加ではぜひディミーアさんを助けてあげましょうね。

 

 

 

 

第一印象より強かったカード

 

 

 

迷路の滑空者

 

タフネス4以上の飛行が止まらない環境だと言われていたが本当にその通り。相手の滑空者を止められるカードが滑空者しかいないみたいな状況。タフネス5の安心感がすばらしい。

3/5飛行というだけで偉いが能力についても考える場合、アゾリウスやディミーアの金色はデフォで回避能力を持っていることが多いのでシミックで一番輝くカードではないかと思う。

なおコイツを下のカードで奪取されると地獄を見る模様。

 

 

 

 

溶解区の門番

 

 

上で散々触れたがもう一度。本当に強かった。

カードプール内の門を(使わない色が多少入ってても関係なしに)全部突っ込む4色門番とか5色門番というアーキタイプもプレリでちらほら遭遇したが、その中核を担うのがこのカードだった。
特にこのカードはレイコマ系列でありながら序盤の壁運用も可能なのが膠着戦略にマッチしており、無駄引き感の少ないカードになっている。

大隊との相性はまさにチート級なのだが、速攻ボロスと大量門は噛み合わせが悪いためかあまりボロスで登場する機会がないのは救い。 



 

 

見えざる糸

 

《戦慄の感覚(INN)》ライクな初撃ち2体タップはいいが、暗号化した次のターン以降の使い道がなさすぎじゃね? と思っていたものの、DGMの膠着環境なら初回だけで十分。2/4や3/5がお見合いすることが分かった第二ゲームからサイドインし、フィニッシュブローに使う。

 

ボムの質量で相手に負けているならば軸をずらしボム登場前の早期決着に戦略をシフトするしかない。そういうときに使う「貧民の城崩し」的なカード。

 

 

 

 

雇われ拷問者

 

2/3で地上をガッチリ、膠着戦では余ったマナでじわじわ射程圏、と有用でないシーンがほとんどない。しっかりならず者な彼のせいで《死教団のならず者/Deathcult Rogue(GTC)》は評価ダウン。

会場では「見せるだけかよw」と笑われていた無作為公開も、フルアタックの前準備、ライフを射程圏に入れつつの安全確認になり噛み合っている。赤系ギルドとの対戦なら3マナ圏は彼だけでいいぐらい、そんなディミーアの英雄。

 

 

 

植林地を這うもの

 

そりゃ多色環境で弱いわけがない。公式によるディミーアテコ入れカードその1。攻守に大活躍。

 

 

 

 

夜帷の憑依者

ディミーアテコ入れカードその2。自軍2/2が相手のパワー2との接触を恐れずに戦闘可能になるのが偉い。
実質3/5でとにかく硬く、除去しようにも手が出せない頑丈ボディ。ボムの前の除去避雷針になってくれる。

 

 

 

オブゼダートの大口

 

 

ダメージスタックなくなってからこの手の能力ってどうなのと鼻白んでいたが使ってみてこの強さ。膠着戦になると生物が横に並ぶので、万歳フルアタックで10~12点をもっていけたりする。この手の能力を全力で使うのはゲームを終わらせることができる時だけなので、生物1体生け贄で+1+1というレートは見た目以上に軽い。

 

なによりも重要な役割として、相手の奪取系カードをフィズらせることができるのが偉い。地味に《走者止め》外しにも。

 

 

 

 

 

変化

 

環境最強のコンバットトリック。環境内のトリックが減ったために警戒もされにくく、撃てばたいてい威力絶大。攻撃宣言に合わせてのプレイ⇒ブロックで0/1は殺せるので、よっぽどでない限りは対象は別々にとって2:1交換を狙いたい。

 

 

 

 

 コロズダのゴルゴン

 

貴重な除去エンジンだがそれよりも2/5+接死という戦闘能力、これがタフネス偏重なプレリ環境でとにかく強い。

1枚で除去できるカードがまずないので排除には戦闘を介する必要があるのだが、そこにこのカードの起動能力が乗ってきて、すさまじいアド損を負うことになる。赤系ギルドに出すとイヤ~な顔をしてくれる。

あと殴ってもそうそうブロックされないので、生物がズラ――っと並んだ膠着戦でもモーゼのように群衆を割って2点ずつライフを削ってくれる。

 

 

 

 

迷路の嫌悪者

 

上と同じ理由。タフネス5+接死が偉い。DGM4パックのため結構出てくれる、安いのになかなか頼り甲斐のあるお兄さん。
接死付与は強い能力のはずだが、横に並ぶ軽い生物はほとんど単色なので劇的に作用することはなかった。4/5接死のスペックだけで勘定。

  

 

 

 

 

第一印象より弱かったカード

 

ラクドスのドレイク

 

 

2/3飛行って強くね? と思っていたが、パワー2飛行が意外と止まる。そういう展開では攻撃にもブロックにも使えず終盤まで立ち往生しちゃうのがしんどい。

 
ディミーアだと《風のドレイク》とまったく同じ点数で3マナ2/3飛行は見た目ほどのインパクトがない感じ。ちょうど先手後手で入れ替えるような関係だった。

ラクドスやゴルガリで使われると貴重な航空戦力になるので評価が変わるかも。

 

 

 

 

 

アゾリウスの導き石

導き石シリーズ全般

 


ホントイヤになるぐらいワラワラ出る。DGM4パックで9枚出た。フザけんじゃねえ! 俺はザル=ターのドルイドが欲しいんだよ!

ゲームの延滞化によりサイクリング効果の起動機会は多いが、それでも「重たい」カードで、魔鍵と合わせて3枚ぐらいが限界な印象。

あとタッチカラーを捻出するためのマナソースとして投入すると、サイクリング効果が起動できないことがかなりあってゲンナリする。構築段階での土地バランスを測る際には、このカードの起動コストも勘定に入れたほうがよい。

 

 

 

走者止め

 

 

飛行生物はまずほとんど止められるし、環境標準の2/4門番を寝かせられる。別にここに書くほど弱いカードではないが、信頼性があまり高くないことは常に考慮しておく必要がある。

強化オーラや全体パンプ、+1/+1カウンター絡みでけっこう簡単に外されたりする。そういう意味で進化生物には付けにくいし、小型では真っ先に始末したい強請生物にも根本対処にならない。

 

赤ギルド以外の対戦になると軽い除去でテンポを取ることにそこまで意味がなく、重たいけど確実な除去のほうが有用な場面が多かった。

 

 

 

上昇する法魔道士

 

 

弱いカードではないはずが、イマイチ活躍しなかった。
タフ2の飛行は戦闘で意外と脆い。4ターン目に出しても2/2の攻撃をストップできないので実際のコストよりも召喚ターンが遅くなるのがマイナス。

留置や強化オーラのバックアップがあれば光るのだろうが、タッチ運用では見た目ほどのインパクトはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

カードプールと実際の構築については次回に続く