【MTG】バトルボンドのプレビューイベント行ってきた。双頭巨人シールド戦
2018年6月2日(土)に行われたバトルボンド(BBD)のプレビュー・イベントに参加してきました。
フォーマットは双頭巨人戦シールド。
今回はプレリじゃなくあくまでプレビューイベントなので特別なキットやプロモの配布はなし。
シンプルに配られた6パックだけを使って40枚デッキを2つ組んでの一本勝負を三回戦やる。
いままで通っていたお店が悲しくも閉じてしまったために新規店を開拓することに。
事前に電話で確認したところ、ソロ参加して店内で同じくソロの相方を見つけてOKよということだったので気兼ねなく一人で参加することに。
以下、この記事中に登場する各カード画像はすべて公式カードイメージギャラリーからの引用となる。
環境の印象
事前の印象としては……
双頭巨人戦特有のルール(共有のライフ30点、第一ターンの後手ドローが二倍、盤面に並ぶ肉も二倍、リソースも二倍)によって、睨み合いが続くロングゲームになるだろうなというのが第一印象。
基本的にMTGでは、複数ブロックを選べる防御側がクリーチャー量増加の恩恵をいちばん受けられる。
というわけで地上はクリーチャーが並び合ってガチガチに固まり、30点のライフを単純なビートダウンで削り切るのは容易ではないだろうなと考えていた。
飛行もまた防御プレイヤーのどちらかが抑止手段を持っていれば止まってしまうので、回避能力としての信頼度はそこまで高くならない。
なので飛行以外の回避能力が有用だと捉えていた。
具体的にはこのへん。
だとしても普段の1.5倍あるライフを削り取るのは容易じゃないだろう。
睨み合いのすえアドバンテージカードをたっぷり撃ち合い、ボムを引き込んで叩きつける大振りなゲームになるだろうなという雑な印象を持っていた。
……のわりに、収録されているコモンは地味~~~なコンバット要員が多かったりするのが謎ではあった。
フツーに考えれば増加したリソースのぶんこの手のバニラの価値は通常のリミテよりも下がってるはず。
だから通常セットのそれよりも一回りカードパワーが高いコモン生物を収録しないとゲームレンジのバランスとれなくないか? と思っていた。
それこそカードパワーの平均値としてはコンスピラシー程度を想像していたのだが、実態はむしろ基本セットに近かった。
(コンスピラシーはフォーマットの性質上、生物はソコソコだがコモン除去がべらぼうに強い。その逆バージョンになるんじゃないかと予想していた)
2vs2対戦という形式上、コモンでさえある程度インパクトが大きい乱闘戦、みたいなプレイフィールを想像していたのだが、実態はむしろ通常セットよりこじんまりしているコモンが多いというか、1点の修整を取りあうような小技が多い。
たとえば過去にはコモン収録だった地味なバットリが、今弾では謎にアンコモンに格上げされて収録されていたりする。
うーん? この手の地味なトレードの巧拙で勝敗が決まるようなシブいフォーマットには思えないんだが……(後の伏線)
というわけで、フォーマットの性質とカードプールのミスマッチに若干戸惑いを覚えていたのものの、基本的にはやっぱりアドバンテージ、ロングレンジのボムゲーになるだろう、というのがやっぱり事前の環境印象だった。
まあそんなことありつつ受付開始。
相方プレイヤーも見つかり、分配でモメないようにカード全部こっち持ちで参加することに。
いざ開封の儀。
カードプール
当たったレアは以下。
《活力》とかいうゲボイカサマカードを引く。
こうなると緑がどれだけゴミでも使わざるを得ない。
緑白が組めたらイイナと思いつつ、開封プールを色ごとに並べてチェックしていく。
まずは白。
タッパーやフライヤーを含む高水準なクリーチャー群と、確実な除去スペルが2枚。
単色だと平均値前後だが、マルチカラーまで含めると一貫したコンセプトが光っている。
採用内定と見てよさそう。
つづいて青。
クリーチャーが物足りないが、そのなかで回避能力はソコソコ揃っている。
生物が整っているメインカラー、あるいはメインデッキの捕色的な役割のプール。
つづいて黒。
青とは対照的にスペルが物足りないが、肉の量は十分。
とはいえ飛び抜けた内容というわけでもなく、まあ堅実な数合わせという感じ。
青とは多色カードを含めてマナ域が綺麗な補完関係にある。青黒はまっさきに検討して良さそうな内容。
お次は赤。
低マナ域が厚く、マルチカラーも含めてやはり黒と補完関係にあるラインナップ。
組み合わせるなら黒との一択だろう。
ただ内容が全体的に前のめり気味で、回避能力も青と比較すると薄い。
30点ライフかつ重層の盤面を絡め手のない愚直なアグロで押し切れるとは信じがたく、構築にはネガティブな色眼鏡で見ていた。
そして緑。
4~5マナ域はどこ?
なんとも歯抜け感のある並び。
しかしよくよく見てみると高スペックな除去スペルがしっかり2枚あり、相打ち用の低マナ域もアドバンテージ生物が揃っている。ランプカードも3枚引けているので多色化もたやすい。
白と組ませるなら高マナ域はかなり箔がつくため、ビッグマナ構築はかなり堅実な選択肢に思える。
最後に多色&無色。
ロングゲーム必至の環境と見るならば、《暴君の機械》と《予見者のランタン》はどんなデッキだろうと採用は確実。
構築にもよるが《歩哨の塔》と《黄金作りの歩哨》(6マナ4/4飛行バニラ)もだいだいデッキに入りうる。
問題はどちらのデッキにどのように分配して入れるかというところ。
どちらのデッキでも使える無色をどう取り分けるか、というのは双頭巨人ならではの構築問題で新鮮だった。
ぱっと見、緑白はメイン確定で相方を青黒or黒赤のどっちにするかなという感じ。
とはいえ事前の環境印象で言っていたように、地上はガチガチの横並びでまず攻撃が通らないだろうから、回避能力を優先して拾う意識で構築に臨んでいた。
となると地上クロックを刻む以外に動きがない赤は置き去りにされ……
構築
で、組んだデッキ2つがこちら。
その1(自分が使用)、緑白ミッドレンジ。
ゲームエンダー、除去、そしてアドバンテージ取れる序盤のブロッカーを上から順番に突っ込んだだけ。
タッチ青の部分が迷うところだけど、緑白2色で組んでも入るカードが《巨大化》とか2マナ2/1とかで微妙なのでこちらに。
むしろ《アミーシャの口づけ》(6マナ7点回復2ドローの白青多色ソーサリー)まで入れてしまっても良かったなと思う。《歩哨の塔》もあるし。
豊富なランプカードによりフラッド気味になりそうなので無色カード(4マナ起動のアーティファクトタッパーとか)をこっちに採用。
その2 (パートナーが使用)、青黒フライヤー。
フライヤーとブロッカー、除去、アドバンテージスペルの詰め合わせ。
普通のシールドだと動きがもっさりしすぎてクソ! となりそうなところだが双頭巨人ならこんぐらいブッ込んでしまってもええんやろと思っての構築。
ただ対戦後に思ったけど《悪運尽きた造反者》(2マナ1/1、死亡時に2/2のゾンビトークンを出す)と《貧民街を刈り取るもの》(4マナ4/2、登場時に各プレイヤー1体ずつクリーチャー生け贄)はいらんかったな。
このスロットは土地のバランスや戦士カウント的にも《命運語り》(2マナ1/3、登場時に占術2)と《プラタカクラブの用心棒》(4マナ3/4バニラ)で良かった。
事前の環境印象どおり、とことんアドバンテージカードを突っ込むことしか頭になかったのであった。
そんなこんなありつついざ対戦へ。
今回、対戦はすべて一本勝負である!
戦績
一回戦目:青黒&赤緑
ダイスロールで負けて後手。
この環境は絶対後手(後手の初手ドローだけで2枚アド)だと思っていたので落ちこむが、初手を開いてみると一転。
先手2ターン目に2マナ生物二体を展開し、3ターン目に《戮力協心》でパワー3が二体でパンチするというロケットスタート。
双頭巨人ならではの動き!
ただこんだけブンブンに攻めてもライフ30が遠い! 遠い…
双頭巨人戦は肉壁の厚みもあるが、相手が撃ってくる除去の数も二倍で厚かったのだった。
こちらの手札が切れかけ、次ターンボードが逆転するギリギリのところで相手のフライヤーにすべての除去を叩きこみ、最後の数点のライフを航空戦力で削り取って勝利。
こんだけロケットスタートしてて逆転されかけるという冷や汗体験。
やっぱりこの環境は後手だな…という思いを強くする(後の伏線)。
二回戦目:青黒&緑白
地上と地上、飛行と飛行が睨み合い、めちゃくちゃ煮詰まったゲームに。
そこにバトルボンドいちの美人ペアこと紡ぎ手ツインズが現れてもうめちゃくちゃに。
しかも×2! 2体ずつ現れたのでさすがに暴力やろともう心ほとんど折れかけ。
膠着した盤面を恨めしく見ている我々チームを尻目にどんどんドローされていく。
もうデッキ畳もうか…というところでトップしたのがまさかの《活力》。
ダメージは栄養ドリンク。何回見ても書いてあることがおかしい
しかし相手のハンドが潤沢、すなわち除去スペルが獲物を待ち伏せしてるだろうこの状況で叩きつけるほど愚かではなし。
活力は無謀なバンザイ特攻をその能力によって許容してしまうので、そこに合わせて活力に除去を撃ち込まれたら憤死即投了ものの恥辱を味わうハメになる。
なのでまずは《武勇の場の執政官》を降ろしてインスタントを宣言、アタックに合わせての除去だけはケアできるようにして次のターンに《活力》を着地。
こちらのライフもそれなりに危うかったので無理に攻めきることなく、《造り手》の起動ですり減った相手のライブラリー切れを睨みながらクロックを刻んでいく。
最終的にはじっくり育てさせた相手の《空想の友人、トゥーシー》をバウンスし、デッキを切らして勝利!
なんとこの試合、この1ゲームだけで1時間30分くらいかかっていた……
グダるときは本当に無限にグダるなこのフォーマット。
やっぱり後手環境だな……重量構築間違ってなかったな……という思いをますます強くし、いよいよ優勝をかけた最後の試合に。
三回戦目:青黒&緑白
ダイスロールで勝利し、ゆうゆうと後手を選択。
全チーム1回ずつのフリーマリガン後、こちらは序盤に動けるが、パートナーの青黒が重めのスペルばかりで身のない手札をキープ。
すると相手の2ターン目2マナ生物を1体ずつプレイ、3ターン目に《気前のいい贔屓筋》とかいう畜生ムーブでもうメチャクチャ。
3ターン目に3/1と4/1が殴ってきてさらに1ドローされてる。
このカード正直トップクラスのボムやと思いました。緑だと《活力》の次くらい?
パートナーが2体クリーチャー置いてたらこいつ出しただけでなぜか手札が増えるとかいう有様。
さすがにヌルハンドキープでは捌けない。
《閉所恐怖症》(3マナオーラ、エンチャントされているクリーチャーを永久にタップする)を支援で太った2マナクリーチャーに貼っつけないといけないみたいな悲しい展開。
というわけで、2-1で2位となりました……。
対戦後の印象
- 今回はアーキタイプ、というかマルチカラーが友好色の5つ分しか用意されていないせいか、意外と構築の組みあわせが少なかった。
具体的には3回戦とも青黒+緑の組み合わせだった。自分も入れたら4グループがこの組み合わせ。 - やっぱり直線的な攻めしかできない赤は逆風だろうと思う。二倍のリソース、さらに共闘で無限に横並びする地上は固く、突破するにはワンアイディア必要。
- ただ地上の突破能力として先制攻撃はそれなりに信頼度があるように感じた。
というのも今回はコンバットトリックが豊富なので、パートナーの手札と合わせて突っ込めば相手のトリックを潰したうえでさらにドシャクリできたりする。
たとえばこいつなんかは赤の地上クロックのなかでは信頼度が高いんじゃないかと思う。
- 地上も膠着するが、やっぱり飛行でさえもそれなりに膠着する。
後手を取ってボムを叩きつけるゲームという事前の環境印象は当たらずとも遠からず。 - 遠からず、というのが今回の発見で、支援が絡むと意外とゲームテンポが早いということ。
先手側が2マナ生物を2体プレイして、3ターン目にそれらに支援が乗るとそのまま持って行かれる展開もある。
逆に言えば先手側が勝つにはこういう3ターン目支援しか目がなさそうな気がする。グダると相当グダる。
意外と地上戦が狙えなくもないというのが判断できたので、緑白の相方はこういう構築もありえた。
赤黒地上ビートダウン。
単体で見たデッキコンセプトとしては青黒よりも遥かに一貫性がある。
パートナー視点で考えても《飾られた英雄》のための戦士カウントが増えて、《誇らしい師匠》の共闘先が手に入る。
もし本戦がサイドあり二本先取なら、第三試合はこの手の色変えが非常に重要になっただろう。