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【MTG】イクサランプレリ行ってきた&ドラフトウィークエンド優勝レポ

前回の記事: 

 

 

 

2017年9月24日(日)に行われた『イクサラン』プレリリースパーティに参加してきました。 

参加人数は20人ほどでスイス3回戦、構築時間は1時間。

13時スタート17時終了。

 

もう記憶もおぼろげなのだが、カードプールのログとして残しておく。

 

以下、カード画像は公式カードイメージギャラリーより引用。 

 

 

カードプール

 

レアはこんな感じ。

 


 

プロモフォイルがこれ。

 

(変身後)

 

ボム恐竜と土地サーチとかいう噛み合い。こんなんみたら白やりたくなるよね。

 

 

 

で、色ごとのカードプールに分けた結果がこんな感じ。 

個人的な雑感も付けてWUBRG順で解説。

 

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白。

低マナ域から高マナ域までまんべんなく粒が揃っている。

《キンジャーリの呼び手/Kinjalli's Caller(XLN)》(1マナ0/3で恐竜のコスト軽減)2枚と7~8マナ域の重たい恐竜4枚がデッキコンセプトとして筋が通っている。

2枚のレア恐竜はボムと言って差し支えない性能で、除去もバットリもあり。

間違いなくメインデッキに絡んでくる内容。

 

 

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青。

軽い飛行&回避能力+テンポクリーチャーでコンセプト的にはまとまっている。ただ飛び抜けたものはなく、スペルもカウンターに寄りすぎていて芯が細い。メインカラーのコンセプトがテンポ系ならサブカラーとしては悪くない。

どちらかというと固いメインカラーがあって輝く補色的な内容に見える。

 

 

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黒。

カードの重複が多いが、そのどれもが結構ありがたい当たり。低マナ域と除去の充実ぶりには目を見張るものがある。

シナジーは吸血鬼と海賊で散っていて、アグロ海賊にもミッド寄りの吸血鬼にも絡ませられそうな内容。これも採用に値するカラーと言ってよさそうだ。

 

 

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赤。

単純に中身不足。質量ともにメインカラーにはなりえず、サブカラーやタッチで使うにも魅力薄。

まず切り捨てられる一色。

 

 

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緑。

飛び抜けた爆弾や除去があるわけではないが、肉の内容と質が必要量揃っている。

多色カードを使わない場合プールの地力としては一段落ちるので、主色にせよタッチにせよ白と組ませるのは確定路線に見える。

 

 

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 多色&無色。

《魔学コンパス/Thaumatic Compass(XLN)》(3マナタップで基本土地をサーチできる2マナアーティファクト、変身するとイスの迷路になる)は確定事項。

ブロントドン》を採用するなら《継ぎ当ての翼/Cobbled Wings(XLN)》(飛行を与える2マナ装備品)は噛み合っている。

 

2枚の《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》も地味にありがたく、変身した相手のボム土地に対して土地のスロットで対応できる。これもおそらくどんな構築になっても確定で2枚入るカードだろう。

 

 

 

プールを見た印象だと、白は確定で相方を黒or緑or青のどれにするか、みたいな感じに映った。赤は論外。

 

なのでまずはマルチカラーの噛み合いがあり一番素直な緑白を構築することにした。

 

構築

 

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GW Dinosaur Dinosaur

 

= 19 Creatures =

2*《キンジャーリの呼び手/Kinjalli's Caller(XLN)》

《司教の兵士/Bishop's Soldier(XLN)》

《軍団の飛び刃/Skyblade of the Legion(XLN)》

2*《イクサーリの守り手/Ixalli's Keeper(XLN)》

《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger(XLN)》

2*《ティシャーナの道探し/Tishana's Wayfinder(XLN)》

2*《開花のドライアド/Blossom Dryad(XLN)》

《不動のアルマサウルス/Steadfast Armasaur(XLN)》

《日の出の追求者/Sunrise Seeker(XLN)》

2*《棘尾ケラトプス/Spike-Tailed Ceratops(XLN)》 

2*《好戦的なブロントドン/Belligerent Brontodon(XLN)》

《突き刺すケラトプス/Goring Ceratops(XLN)》

《覚醒の太陽の化身/Wakening Sun's Avatar(XLN)》

 

= 4 Spells =

《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》

《魔学コンパス/Thaumatic Compass(XLN)》

《軍団の裁き/Legion's Judgment(XLN)》

《継ぎ当ての翼/Cobbled Wings(XLN)》

 

= 17 Lands =

2*《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7*《森》
8*《平地》


= 入らなかったカード =

2*《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》

《防護の光/Sheltering Light(XLN)》

《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》 

 

画像では《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger(XLN)》のスロットが《駆り立てる僧侶/Inspiring Cleric(XLN)》になっている謎。

場を固めるカード、ランプカード、ビッグマナカードの3種類に飛行付与の装備品と、非常にシンプルかつ手堅くまとまった恐竜デッキ(リミテでファッティを叩きつけるアーキタイプダイナソーとかいうので、このデッキのアーキタイプダイナソーダイナソーになるゾ)。

 

ちなみに《開花のドライアド》(タップ能力で土地1つをアンタップできる3マナ2/2)は、《魔学コンパス》変身後の土地に使うことで1回の戦闘中に複数体排除できるようになるというシークレット(でもない)テクがある。

 

 

 

 

構築時点で環境の基準となるスタッツが分かっていなかったので、《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》(戦闘中のクリーチャー1体に2点ダメージを与えるインスタント)をかなり過大評価している感がある。

あと探検もかなり強めに評価していた様子で、5マナ3/3探検とかいうかなり渋いカードを《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》よりも優先して採用している。

 

 

 

でもそれだったら《司教の兵士/Bishop's Soldier(XLN)》(2マナ2/2絆魂)を抜いて《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》を入れたほうが良かったよね!

 

 

探検1回で2/4になるしライフ回復も絆魂パンチ1.5回分あるやんけ!

初見でこの手の新メカニズム依存カードの強さに気づくのはムズカシイね……

新メカニズム自体の強さや使い勝手がまったく未知の段階で、このカードの強さを査定するという二重の不確実性を読み解かないといけない。

 

細部の詰めは甘いものの、ほとんど迷うことなくパワー高めな緑白がサクッと構築完了。

 

というわけで、次点だった白黒の構築もチェックしてみる。

 

 

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WB Dinosaur Midrange

 

= 17 Creatures =

2*《キンジャーリの呼び手/Kinjalli's Caller(XLN)》

2*《立ち枯れの守り手/Blight Keeper(XLN)》

《司教の兵士/Bishop's Soldier(XLN)》

《軍団の飛び刃/Skyblade of the Legion(XLN)》

《深海艦隊の船長/Fathom Fleet Captain(XLN)》

《駆り立てる僧侶/Inspiring Cleric(XLN)》

《深海艦隊の殺し屋/Fathom Fleet Cutthroat(XLN)》

2*《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》

《不動のアルマサウルス/Steadfast Armasaur(XLN)》

《日の出の追求者/Sunrise Seeker(XLN)》

《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》

《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》

《突き刺すケラトプス/Goring Ceratops(XLN)》

《覚醒の太陽の化身/Wakening Sun's Avatar(XLN)》

 

= 4 Spells =

《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》

2*《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》

《魔学コンパス/Thaumatic Compass(XLN)》

《軍団の裁き/Legion's Judgment(XLN)》

《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》

 

= 17 Lands =

2*《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7*《森》
8*《平地》

 

 

白黒で組んでみるとこんな感じになった。

 

スペル6枚中5枚を除去にできるのが大きな魅力だが、《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》はやっぱりその中で一段劣って見える。このスロットは

・《吸血鬼の士気/Vampire's Zeal(XLN)》(+2/+2&吸血鬼なら先制を与える1マナバットリ)

・《防護の光/Sheltering Light(XLN)》(破壊不能と占術1の1マナバットリ)

・《卑怯な行為/Skulduggery(XLN)》(+1/+1と-1/-1を1体ずつ与える1マナバットリ)

の1マナバットリどれかとコンパチしたほうがいいだろう。

 

気になるのは、シナジーが吸血鬼・海賊・恐竜と3つに散っているところ。

あと緑白と比べてマナフラの受けも明確に少ない。

 

黒緑t白や白青、青黒も構築をざっと見てみたが、やはりこの二つに比べるとミッドレンジとしての強度で見劣りしてしまう。青黒だけはこの二つと軸の違うテンポ的な戦い方ができるので、相手によってはサイド後にシフトする可能性がなくもない、という程度。

 

 

結局のところ、緑の恐竜アーキタイプとしての完成度をとるか、黒の除去の厚みをとるかの二択になった。

 

 

とはいえ、環境黎明期は対応デッキよりもアーキタイプデッキを押しつけたほうがプレイも簡単だというのが経験にあった。

リアクティブデッキは環境を習熟し、除去の撃ち時やコンバット感覚を身につけてから使ったほうがいいだろう。

 

そんなわけで、メインデッキは緑白恐竜で挑むことにした。

 

戦績

 

一試合目:緑青t赤テンポ

相手も《魔学コンパス》を持っているという地獄の泥仕合

1・2ゲーム目は互いに相手の上を行ったが、3ゲーム目はこっちのスクリューで負け。

○××

 

二試合目:赤緑t白恐竜

相手の攻めがなぜか急ぎ気味。もうすこしどっしり構えて動いてもいいと思うんだけど、わりと損に見えるアタックをしかけてくる。

なのでトリックをケアして動くと、こつこつクリーチャーを討ち取ってアドバンテージがもらえる。そのまま勝てた。

○○

 

三試合目:赤白恐竜アグロ

3ゲーム目。序盤の相手のラッシュを止めてライフ12残り、《魔学コンパス》設置、土地は7枚という状況。互いの盤面にはクリーチャーが3体並んで睨み合っているが、サイズはこちらが勝っている。しかしこっちの手札はマナフラで溺れてて、握ってるのはブラフの土地2枚だけ、みたいな状況。

ターン終了するとコンパスが変身するのだが、変身する前に能力起動で土地を持ってくるか悩む。土地を持ってくると変身後もタップ状態のままなので、次の相手ターンのアタックに対しては戦闘除外能力を使えなくなる。

手札で握ってる土地と合わせれば引いたランドは9枚になるので、追加の土地が必要な状況では間違いなくない。純粋にデッキ圧縮目的のみでの起動になる。

圧縮なんて言ったところで効果はデッキ20枚に対し1枚だけだが、こっちはマナフラで有効牌を1ターンでも早く引き込みたい状況。トップの土地を1枚弾いて有効弾のドローが1ターン早くなればかなりの価値を出せる盤面だ。

こちらのライフは12あり、相手アタッカー3体のフルパンが通っても死にはしない。そもそも並んだ3体のブロッカーを1ターンで全除去でもしないかぎり、攻撃自体しかけられないような盤面だ。

なので悩んだが、かなり悩んだが、けっきょくメインでコンパスの土地サーチを起動し、エンド時にタップ状態で変身。ターンを返そうとしたら…

 

終了ステップにプレイヤーに4点火力。

そしてメインフェイズに…

 

 

-3で3体ブロック不能に。

フルパン。ぴったり12点。gg。

 

うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

×○×

 

 

いや、これは相手が抜群に上手かった…

ファートリを出さずにずっと握ってたわけだからね。

5マナでブロッカーを3体飛ばすソーサリーとしてしか使わないと決めていたってことでしょう…

これは完敗、完敗ですわ…

 

○××○○×○×

結果は1-2で、下から数えたほうが早いくらいの位置。

終戦で心をバキっと折られたので、二回目のプレリに参加することなくすごすごと戻ってゆきましたとさ……。

 

 

 

 

 

ドラフトウィークエンド

 

とかいいつつドラフトウィークエンドでリベンジ!

ふつーに流れに身を任せて空いてる色を拾っていったら、またしても代わり映えのない緑白恐竜に…

 

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でも今回は除去マシマシで、かわりにボム力が低めに。

構築時はちょっと厳しいかなーという感じだったが、なんと結果は

 

望外の優勝!

 

というか、完全に引きが上振れしてただけなんだけども…

 

で、圧巻だったのは第一試合の対戦相手。

青黒t緑のデッキだったんだけど、アイディアがすごかった。

出てくる青黒のカードは宝物を生み出したりする線の細い海賊がほとんどで、呪文は《選択》が3枚ぐらいめくれてる。

そんなんでどうやって勝つんだろうと思ってたら…

 

「宝物サクって7マナ。5枚ドローします」

 

 

!!!!

 

な、なるほどそういうデッキかあ……

じゃあ除去撃つしかないか…

 

「じゃあティシャーナ対象で」

 

 

     !!!!!

 

ひ、ひでえ…また5ドローされた…

なら平和な心つけるしかないか…

ひええ…ひどいアド差だよお…

 

 

「じゃあティシャーナ対象で」

 

 

「出直したんでオーラ外れて、また5ドローします。12/12です」

 

!!?!??!!?

 

 

「エンチャントして殴ります。14点」

 

!?!??!?!?!??!?!?!?!?

 

 

すげーアイディアだ……

 

 

たぶん途中までは普通に青黒海賊を目指してピックしていたんだろうけど、途中でティシャーナを拾えたんで宝物とブリンク、そして《選択》をかき集めて今の構築を完成させたんだと思う。

まったく自分の頭の中になかった発想だったのですげーびっくりした。

 

 

 

ふつーにデッキの地力の差で勝てるわけがない相手だったんだけど、《風と共に》を相手がエンチャントした次のターンに《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》(飛行クリーチャー破壊するインスタント)を引き込んだりするとかそーいうインチキで奇跡の1ターンを稼ぎ、そのわずかなターン差でライブラリーアウトして勝ててしまった。

 

これがマジックじゃ。

 

 

そんなわけでイクサランリミテはおしまい。

いやー、楽しかった。また次回!