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【MTG】プレリ直前に入れとこう、タルキール龍紀伝コモンの各種データ

 

もうすぐプレリですね!!!

 

 

プレリは初お目見えのセットでシールドを組むという前提上、全員がほとんど手探りな状態でのスタートになります。

 

そのような暗中模索の魔境でひとつ、たしかな道標があるとすれば、それは事前のカードプールが指ししめすデータだろうと思います。

特にシールドだと、各人に渡される90枚のプール中、実に60枚近くがコモンで構成されます。新環境のシールドに臨むにあたり、コモンのデータを押さえておくのはもっとも重要な事前準備のひとつと言えるでしょう。

 

 

タルキール龍紀伝は大型エキスパンションなので、各色コモンは19枚ずつ、無色が6枚でコモンは合計101種類もあります。

 

 

各色コモンの構成

19枚のコモンのうち、各色での配分はこのようになっています:

 

白:生物12、スペル7

青:生物10、スペル9 (11:8)

黒:生物11、スペル8

赤:生物8、スペル11 (9:10)

緑:生物12、スペル7

 

(《オジュタイの召喚》《ドラゴンの餌》をそれぞれスペルとしてカウントしていますが、これらを生物として計上する場合は右の数値になります)

 

オジュタイの召喚 ドラゴンの餌

 

 

 

こうして見ると、赤の生物の異常な少なさが目につきます。

《ドラゴンの餌》を生物枠にカウントするとしても、生物9:スペル10です。生物の種類がスペルを下回っています。かなり珍しい配分です。

 

では増量されたスペルのぶんが失われた生物の穴埋めになるスペックなのかといえばそうでもなく、メインに入れるには微妙なレベルの呪文も多いです。

 

破壊行為 衝撃の震え

 

というわけで単純にプレイアブルな(メインデッキに投入できる)カードの比率減少と言っていいのではないかと思います。今回の赤はわりかし逆風な立ち位置にあります。

 

 

ほかにも今弾では龍王をモチーフにしたキー能力が各二色に与えられており、メイン色のキー能力持ちが3種類、サブ色のキー能力持ちが2種類ずつコモンに配分されています。

たとえば白なら

緑白のドロモカ(メイン)の鼓舞持ちが3種類、

砂造形の魔道士エイヴンの戦術家不朽の勝利

 

白青のオジュタイ(サブ)の反復持ちが2種類、

巧みな機動魂の基点

 

という感じにです。

同様に青なら反復が3種類、濫用が2種類コモンに用意されてます。黒も緑も同様にメイン3種類+サブ2種類ずつコモンにキーワード能力が配置されてます。

 

しかし、赤だけコモンに配分されたキー能力が少ないです。

メイン能力である疾駆が2種類、サブである圧倒が1種類しかないです。

絶叫郷の喧嘩屋疾走する戦暴者

剣歯虎の先導隊

 

なぜ赤だけそんなふうになってるのか理由はまったくわかりません。公式がいうところの美学(美的感覚)に反するのでとても不思議です。

 

いずれにせよ、龍紀伝での赤は非常に特殊な立ち位置だということが言えます。普段ドラゴンのメインカラーだからこういう時に逆風食らってんだろうか。

 

 

コモン大変異一覧

霧蹄の麒麟砂嵐の突撃者

オジュタイの介入者僧院の伝承師ダルガーの宿敵

湿地の大男

コラガンの嵐唱者アタルカのイフリート

盾を持つ守護者高楼の弓使い分節クロティク

 

KTKからの通例どおり、今回も変異の主色は青緑に設定され、コモン変異を3種類ずつ与えられています。

逆に黒にのみコモン変異が超ヘビーな1種類しかいません。

赤は逆に、ヘビーな変異がいません。2/2と5/2、タフネスが2を超えることがないです。

 

相手が4マナ以下しか立ってない状態で変異で攻撃してきた場合、2/2でのブロック が大安定です。これはKTKと同じ法則ですね。

変異コスト4マナ以下だと、タフネスが2を超えることはありません。

  

それどころか今回5マナの変異コスト持ちが白しかいないので、相手が5マナ残してたとしても白マナがなければ変異は2/2ブロックが正当化されます。

 

また相手が黒赤(コラガン)であれば、6マナ立っていたとしても2/2ブロックでOKです。

 

6マナ立てた状態で変異がアタックしてきた場合、相手が赤以外であれば、タフネスが5あれば生き残れます。5/5以上だと一方取れます。

今回はコモンに3マナ3/5防衛の無色生物がいるので、変異をめぐる攻防はKTKとくらべだいぶイージーになったと思います。

 

バニラ

ドロモカの戦士古えの鯉放浪する墓甲羅山頂をうろつくものコロッソドンの一年仔

 

各色のアーキタイプや速度を知りたければバニラを見ろというのが自分の訓示としてあります。

バニラはその色のボリュームゾーンとなるコスト帯に、アーキタイプを象徴するスペックで投入されることが多いです。

 

  「複雑性を許容値のあるリソースとして扱う」新世界秩序の導入以降、各セットでコモンバニラの各色配置はなかば必須となりました。

バニラはp/tとマナコストしか調整できるスペースがないのですが、それゆえにその二つの数値の設定に一番意味をもたせられる役割――すなわちアーキタイプの象徴/調整役としてしばしばデザインされます。

 

白は2マナ以下が6種類と全色最多(2番手が緑と黒の4種類)で、バニラも「2マナ3/1戦士」とそのアグロ指向な白の特性がより膨らむように設計されてます。

赤はそれより少し遅めのアグロ指向、青と黒は「地上を止めて飛行で」指向、緑もディフェンシブで後半戦指向なのがバニラを見ると分かるんじゃないかと思います。

 

 

なお、龍紀伝コモン生物で平均パワーが一番高いのは赤の3.25で、次いで緑の3.1でした。

同様に平均タフネスが一番高いのは青の3.0で、次いで黒の2.9でした。

実際にはこれに大変異の+1/+1カウンターが入るのでこの数値より一回り以上大きくなるかと思います(というか細かい計算があってないと思います)。

 

数値で見てみると、思ったよりも地上が通らない(=ドラゴンゲー)環境ではない気がします。赤や緑の頭でっかちがいるんでそのあたりで数値のバランスが均されているんだろうと思います。

 

 

さらにしっかり読みこめばもっとアーキタイプについて深く理解できるかもしれませんが、ひとまずは紹介がてらこんなところで。

 

 

除去概覧

平和な心不朽の勝利

シディシの信者体躯の縮小オジュタイの息吹

 押し倒し押し拉ぎシルムガルの解体者

双雷弾尾の切りつけサルカンの怒り

勇壮な対決切翼の宴

 

コモンの除去はおおむねこのような感じです。

黒のパワー2以下破壊《押し倒し》ですが、白と青の飛行持ち大変異は表変えるとパワー3になる、ということは覚えておく必要があります。

このパワー3飛行への対処が長引く/容易ではない場合、青白相手の《押し倒し》は積極的に変異に撃ちこむ必要が出てきます。

しかしこれらの飛行はタフネス2止まりなので、たとえば赤なら相手が表変えるのを見てからでもじゅうぶん火力での事後対処が間にあいます。

 

要注意なのが緑の撃墜鼓舞《切翼の宴》です。ドラゴンが対戦での多くでゲームエンダーになる環境なので、メイン投入もありえます。コモンの中でもカバーできるボムの範囲が1、2を争うほど広いです。

インスタントなので2対1交換も狙えるうえ、大変異コスト支払いもあるのでマナを構えてエンドすることも正当化されます。

 

 

 

駆け足になりましたが、だいたいこのような感じです。

特に変異とオープンマナをめぐる攻防(コラガン相手なら6マナ立ってても2/2ブロックとか)については頭に入れておくと実践での思考リソースを抑えられていいのではないかと思います。

それではそれでは。週末のプレリ、おたがいがんばりましょ~。

 

 

 

 

 

 

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