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【MTG】タルキール覇王譚プレリ、ティムールで参加レポ

 

2014年9月20日、土曜昼からのタルキール覇王譚/Khans of Tarkirのプレリースパーティに行ってきた。

参加人数は32人めいっぱいでスイスドロー4回戦。13時スタートの18時30分終了。

 

 

ラヴニカへの回帰から三年目、今回も恒例の弁当箱型のコンポーネント形式でのパックを受け取ってのシールド構築戦。

 

 

 

 

タルキールは楔三色(主色とその敵対色の組み合わせ)を持つクラン同士の戦争がテーマということで、今弾はそれぞれの氏族をフィーチャーした5つの弁当箱が用意されている。

その氏族の楔色に準じたプロモ&封入操作された特製パック1個入りで、かなり選択的に自分が使いたいクランのデッキを組むことができるようになっている。

 

さらに今回大きな変革があり、プロモ内容が固定ではなくクランごとに設定された8種類のなかからランダムに1枚封入になった。各氏族のカン(神話レア)も1/8の確率で入っているが、かわりにプロモパックに別途入っていた通常レアがなくなった、つまりレア6枚で構築することになった。また通常基本土地が入っているスロットには楔タップインランドがたぶん確定で入っている。

つまりプロモレア(クランごとに8種類の中からランダム1枚)、楔土地を含むアンコモン4枚、楔3色を含むコモン10枚、が新しいプロモパックの内容になってる。

 

まあ、そのあたりの詳細は公式をどうぞ。

 

 

自分はドラゴンの獰猛さ、龍爪をモチーフにしたクラン、ティムール(緑+青赤)を選択。

 

龍爪のスーラク 荒野の後継者

意外に脳筋パワー馬鹿じゃなく、絡め手要素もかなり多彩でテクニカルな撹乱系アグロな集団です。

 

 

自分の中でのクランの強度は

アブザン(白+黒緑)>マルドゥ(赤+白黒)>ティムール(緑+青赤)>ジェスカイ(青+赤白)=スゥルタイ(黒+緑青) という感覚をもった。

 

下位二つのクランはキーアビリティが依存型なのがしんどい。

スゥルタイなら探査ばっかり引いて墓地肥やしを引かない(あるいはその逆)、

ジェスカイなら果敢生物ばっかり引いて誘発スペルを引かない(あるいはその逆)、

そういう引きムラのリスクを潜在的に内包してしまっている。

 

対して上位二つのクランはキー能力が自己完結し、アーキタイプにも自然にマッチしている。マナカーブに合わせて手牌を順番に切っていくだけで戦型になる、金太郎飴的な安定したデッキ構築が可能なように思えた。

 

で、ティムールはその中間ぐらいという印象。簡単すぎず、難しすぎずのちょうどいい塩梅。

勝ちに行くならアブザンを中心とした4~5色のレアグチャパワーデッキのようなのがたぶんいちばん勝率はいいのだろうが、せっかくのお祭りなのでいちばん使ってて楽しそうに見えるクランをチョイスすることに。

 

 

会場内での人気は

アブザン>ティムール>>> マルドゥ>>>>>ジェスカイ>>>>>>>>>>>>>>>>>>スゥルタイ

 

アブザンの人気は前評判どおりだが、次ぐティムールの人気とスゥルタイの圧倒的不人気は予想以上だった。

 

 

もうプレリ参加も三年連続となると顔見知りもだいぶ増えてくる。次のスタン環境だのドラフトの都合など談笑しつつ席につき、いざ開封&構築へ。

 

 

 

カードプール

(各色のうち、個人的に自分がデッキに入れたい順番にしてある。評価は絶対指標ではなく、その色のカードプールを踏まえた相対的なもので、メインデッキに入れたくないカードは薄い色にしてある。)

 

 

白:11枚

 

《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza(KTK)》   Rare

《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin(KTK)》

《抵抗の妙技/Feat of Resistance(KTK)》

《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin(KTK)》

《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol(KTK)》

2*《軍用ビヒモス/War Behemoth(KTK)》 (うち1枚Foil

《戦場での猛進/Rush of Battle(KTK)》

《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》

《包囲戦法/Siegecraft(KTK)》

《消去/Erase(KTK)》

 

 

青:11枚

 

《春の具象化/Embodiment of Spring(KTK)》

2*《湯熱の精/Scaldkin(KTK)》

《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker(KTK)》

《鐘音の一撃/Singing Bell Strike(KTK)》

2*《運命編み/Weave Fate(KTK)》

《旋風の達人/Whirlwind Adept(KTK)》

《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》

《取り消し/Cancel(KTK)》

《テイガムの策謀/Taigam's Scheming(KTK)》

 

 

黒:10枚

 

《絞首/Throttle(KTK)》

《マー=エクの夜刃/Mer-Ek Nightblade(KTK)》

《縁切られた先祖/Disowned Ancestor(KTK)》

《大蛇の儀式/Rite of the Serpent(KTK)》

《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin(KTK)》

《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter(KTK)》

《ラクシャーサの秘密/Rakshasa's Secret(KTK)》

《不撓のクルーマ/Unyielding Krumar(KTK)》

《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw(KTK)》

《従順な復活/Dutiful Return(KTK)》

 

 

赤:11枚

 

《焼き払い/Burn Away(KTK)》

2*《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker(KTK)》

《沸血の熟練者/Bloodfire Expert(KTK)》

《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》

《谷を駆ける者/Valley Dasher(KTK)》

《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker(KTK)》

《跳躍の達人/Leaping Master(KTK)》

《山頂をうろつくもの/Summit Prowler(KTK)》

《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》

《苦しめる声/Tormenting Voice(KTK)》

 

 

緑:15枚

 

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》

《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》

《神秘の痕跡/Trail of Mystery(KTK)》    Rare

《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》

《松歩き/Pine Walker(KTK)》

《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon(KTK)》

《高山の灰色熊/Alpine Grizzly(KTK)》

《ティムールの軍馬/Temur Charger(KTK)》

《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》

《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》

《高地の獲物/Highland Game(KTK)》

《地平の探求/Seek the Horizon(KTK)》

《境界の偵察/Scout the Borders(KTK)》

《部族養い/Feed the Clan(KTK)》

帰化/Naturalize(KTK)》

 

 

 

多色

 

2*《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》

《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy(KTK)》   Promo-Rare

《雪角の乗り手/Snowhorn Rider(KTK)》

2*《秘密の計画/Secret Plans(KTK)》

 

《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》

《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm(KTK)》

《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer(KTK)》

《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul(KTK)》

《刃の隊長/Chief of the Edge(KTK)》

《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》   M-Rare

 

 

無色

 

《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir(KTK)》   Rare

《贈賄者の財布/Briber's Purse(KTK)》

《頭蓋書庫/Cranial Archive(KTK)》

《群の祭壇/Altar of the Brood(KTK)》             Rare

《鮮明のレンズ/Lens of Clarity(KTK)》

 

 

2*《開拓地の野営地/Frontier Bivouac(KTK)》

《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》

《岩だらけの高地/Rugged Highlands(KTK)》

2*《ティムールの戦旗/Temur Banner(KTK)》

《平穏な入り江/Tranquil Cove(KTK)》

《磨かれたやせ地/Scoured Barrens(KTK)》

2*《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag(KTK)》

《アブザンの戦旗/Abzan Banner(KTK)》

  

 

 出たレアが

 

ティムールの隆盛  血の暴君、シディシ

神秘の痕跡  アナフェンザの伝令

 群の祭壇  タルキールの龍の玉座

 

色がやや散っているのと、煮ても焼いても食えないクソレアを1枚引いてしまったのがすこし残念な印象。

とはいえ剥きながらの流し見段階でも、かなり尖ったアーキタイプのデッキが組めそうな感触があった。

 

 

緑、青、赤、緑青赤を含む多色、無色

白、黒、その他の多色

という具合に並べていく。

 

実はシールド戦に参加するにあたって、ひとつの構築指針を事前に考えていた。

それは特殊地形を9枚以上引いていたら4色以上のグッドスタッフを目指すというもの。

安定した4色以上のデッキ(均等楔+タッチ1色、またはメイン2色+サブ1色+タッチ1~2色)を目指すとなると、だいたい30点超の色マナ・シンボルを17~18枚程度のマナソースで捻出する必要がある。

変異が戦線の中心となる盤面環境を考えると、こちらも3ターン目には確実に変異を出して相手のアクションについていけるようにしたいので、基本土地は8枚以上(初手率8割以上)は入れておきたい。

そうなると基本土地8枚+2色土地7枚+3色土地2枚+戦旗1枚でちょうど発生色マナが30点を超える計算になった。

 

全色イイトコ取りなグッドスタッフが無難に強いのはテーロスシールドで体験済みだったので、狙えるチャンスがあれば積極的に組んでいくつもりでいた。

のでまず最初に特殊地形の枚数をチェックするのだが……8枚でぎりぎり足りない。

 

戦旗のバランスによっては組めないこともないのだろうが、とりあえずお手軽構築はいったんあきらめて、カードプールをじっくり吟味してから多色化を判断することにした。

いちばんカードパワーの高いティムールの多色から見ていき、順に緑、青、赤と確認していく。

 

 

まず開封段階から目に入っていたのが変異アーキタイプのパーツ、2枚の《秘密の計画》と《神秘の痕跡》だった。

 

 秘密の計画 神秘の痕跡

 

 

変異をざっと取り出して並べてみると、ティムールだけで7枚……つまりデッキに入る生物の5割ぶんにもなる枚数の変異生物が確保できている。

このような指向性の強烈なテーマデッキというのはグッドスタッフに比べて安定性や強度が未知数で、環境初体験になる新弾プレリではどーにも尻込みしてしまう部分もあるのだが……

ここまでプールがはっきりしているとなると、さすがに愚直に組んでみてもいいかなという気分になってくる。

 

《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》も2枚とれているし、感触的にはかなりいけそうな感があった。

 

 

構築 

 

 

GRU - Temur - Disruptive Morph Aggro

 

= 13 Creatures

 

《春の具象化/Embodiment of Spring(KTK)》

《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》

《ティムールの軍馬/Temur Charger(KTK)》    (変異) 

《高山の灰色熊/Alpine Grizzly(KTK)》

2*《湯熱の精/Scaldkin(KTK)》

《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》

《松歩き/Pine Walker(KTK)》           (変異)

2*《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker(KTK)》   (変異)

《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker(KTK)》      (変異)

《雪角の乗り手/Snowhorn Rider(KTK)》      (変異)

《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon(KTK)》     (変異)

 

= 10 Spells

《神秘の痕跡/Trail of Mystery(KTK)》

2*《秘密の計画/Secret Plans(KTK)》

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》

《鐘音の一撃/Singing Bell Strike(KTK)》

2*《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》

《ティムールの戦旗/Temur Banner(KTK)》

《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》

《焼き払い/Burn Away(KTK)》

 

= 17 Lands

 

2*《開拓地の野営地/Frontier Bivouac(KTK)》

《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》

《岩だらけの高地/Rugged Highlands(KTK)》

4*《森》 6*《島》 3*《山》

 

マナカーブ:

1マナ:1枚

2マナ:7枚

3マナ:4枚(+変異7枚)

4マナ:4枚

5マナ:2枚

6マナ以上:5枚(うち変異持ち5枚)

 

23枚め以降のカード:

《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy(KTK)》

《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir(KTK)》

《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》、《旋風の達人/Whirlwind Adept(KTK)》

《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》、《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》、《取り消し/Cancel(TSP)》

 

 

 

《ティムールの隆盛》はスペルの枚数が多く、変異を主体にして展開することからひとまずの投入を見送った。

とはいえさすがにこの構築内容で生物13枚は攻め気が弱すぎた。最後の反省の項目でまたふり返るが、この段階ではいくつかのスペルを過大評価し、プレーンな生物の枚数よりも優先してしまっていた。

 

最後の最後まで23枚めでの採用を迷ったカードは《ティムールの戦旗》と《軽蔑的な一撃》で、安定性を考えて《戦旗》に舵をとったが、これも結局のところはどっちもナシで生物を増やしてやるべきだった。

 

 

かなり早い段階でティムールの変異ビートが完成したので、コントロールヘビーなマッチアップ用にタッチ多色のプランも検討することにする。

 

スゥルタイカラー(t黒)は《魔除け》に《絞殺》、《占い屋》とかなりパワーのあるラインナップでタッチを検討するのに質量十分に思えたのだが……

 

スゥルタイの魔除け スゥルタイの占い屋

 

 

しかし、なんとマナベースが1枚もない。

余った特殊地形は4枚ともすべて白マナをタッチするためのもので、GURにそのまま組み込めるような黒マナソースが1枚もなかった。

戦旗もアブザン用で、いちばん捻出しやすいGと重なるだけのマナソースはやはり採用しにくい。となると、タッチする黒マナはおそらく《沼》4枚を入れて捻出することに……。

 

ならばと思ってt白のカードも並べてみるが、《アナフェンザの伝令》のようなタッチではいまいちピンとこないカードや《アブザンの魔除け》のようにt黒白の両方を要求するようなカードばかりで選択肢から切れる。

 

結局、マナベースの不安からGURb(tスゥルタイ)は素型をつくるにとどめ、そのまま構築時間は終了。対戦の大枠はかなりアーキタイプ性の強いティムールの変異アグロで挑むことにした。

 

 

戦績

一回戦目:ティムール除去アグロ

×○○

・格闘に火力にバウンスと、かなり除去の濃いデッキで、この一試合目で攻め手の少なさに気づかされる。盤面更地のときにトップする《秘密の計画》がきっついのなんの。以降《戦旗》out、《大牙コロッソドン》inで対戦。

・2ゲーム目は《高山の灰色熊》が格闘しまくって4キル。

 

二回戦目:マルドゥウィニー

○○

・サイズ差もあって危なげなく勝利。

 

三回戦目:エスパー変異

××

・変異で攻撃、変異をプレイ、変異に《幽霊火の刃》装備。この繰り返しがほんと強くてとまらず死亡。一回戦目はライフ計算があまくて詰めをミスり、かなりくやしい。

 

四回戦目:アブザンコントロール

×○-

・接死が地上で睨み合い、2ゲームとも長期戦になる。1ゲーム目は《アラシンの上級歩哨》に戦線を乗り越えられ、その結果を受けて2ゲーム目からサイドインした《タルキールの龍の玉座》で今度は強引に地上戦を突破する。

・3ゲーム目に入るまえに時間切れ引き分け。 

 

 

結果は2-1-1(5-4-1)。変異プランへのこだわりをさっさとなくしていれば、もう一勝ぐらいはできていたかもなーと悔しいかんじ。

 

 

 

というわけで、4試合を終えた時点での最終的なデッキがこちら。

 

 Temur - Morph Midrange

 

= 15 Creatures

《春の具象化/Embodiment of Spring(KTK)》

《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》

《高山の灰色熊/Alpine Grizzly(KTK)》

《ティムールの軍馬/Temur Charger(KTK)》

2*《湯熱の精/Scaldkin(KTK)》

《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》

《旋風の達人/Whirlwind Adept(KTK)》

《松歩き/Pine Walker(KTK)》

2*《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker(KTK)》

《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker(KTK)》

《雪角の乗り手/Snowhorn Rider(KTK)》

《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon(KTK)》

《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》

 

= 8 Spells

《神秘の痕跡/Trail of Mystery(KTK)》

《秘密の計画/Secret Plans(KTK)》

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》

2*《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》

《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy(KTK)》

《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》

《焼き払い/Burn Away(KTK)》

 

= 17 Lands

 

2*《開拓地の野営地/Frontier Bivouac(KTK)》

《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》

《岩だらけの高地/Rugged Highlands(KTK)》

4*《森》 6*《島》 3*《山》

 

 

抜けたカード:

《鐘音の一撃/Singing Bell Strike(KTK)》

《ティムールの戦旗/Temur Banner(KTK)》

《秘密の計画/Secret Plans(KTK)》2枚め

 

やはり生物の増量が必須だった。最初の構築段階ではやく気づけていればよかったのだが……。

 

噛み合ったときの爆発力はあるものの依存性が高い《秘密の計画》は1枚にとどめ、かわりに速攻付与で最低限の活躍が保証されている《ティムールの隆盛》に置き換えるのがベターだろうと思う。

 

今回のようにアーキタイプ特化型が組めてしまうと《秘密の計画》のようなシナジーの中核となるカードは抜きにくいのだが、あんまりデッキの流れとかアーキタイプにこだわり過ぎると別の構築プランがあるのをついつい見逃してしまう。

 

結局シールドは単体で勝てるカード、いつ引いても強いカードの集合で押しつぶしていくのがいちばんシンプルでいい。不細工なデッキになることをあまり恐れないほうがいいのだろう。

 

なので除去の濃いデッキには引きムラのできてしまう《秘密の計画》変異プランをばっさり切り捨て、かわりに《運命編み》のようないつ引いても強いカードを投入したほうがよさそうに思う。相手のエンチャント除去もスカらせることができるし。

 

ほかにもいまいち使い勝手の悪かった《鐘音》やオーバーサポートな《戦旗》を抜き、《隆盛》と噛み合うファッティを2枚入れた。

 

 

それから、結局本戦ではいちども試すことができなかったt黒スゥルタイも、たぶん組むとしたらこんな感じになるだろう。

 

 GUbr Sultai - Control

 

= 13 Creatures

《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》

《高山の灰色熊/Alpine Grizzly(KTK)》

2*《湯熱の精/Scaldkin(KTK)》

《遠射兵団/Longshot Squad(KTK)》

《松歩き/Pine Walker(KTK)》

《旋風の達人/Whirlwind Adept(KTK)》

《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin(KTK)》

《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer(KTK)》

《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker(KTK)》

《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul(KTK)》

《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》

《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon(KTK)》

 

= 9 Spells

《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》

《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm(KTK)》

2*《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》

《ティムールの戦旗/Temur Banner(KTK)》

2*《運命編み/Weave Fate(KTK)》

《絞首/Throttle(KTK)》

《焼き払い/Burn Away(KTK)》

 

= 18 Lands

 

2*《開拓地の野営地/Frontier Bivouac(KTK)》

《茨森の滝/Thornwood Falls(KTK)》

《岩だらけの高地/Rugged Highlands(KTK)》

5*《森》 4*《島》 1*《山》 4*《沼》

 

 

23枚目以降のカード:

《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》

《ラクシャーサの秘密/Rakshasa's Secret(KTK)》

《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》

 

変異スタートも少なくない環境で、たぶんこれぐらい極端に重マナ域にシフトしてもじゅうぶん戦いきれる感触はある。

アブザン・スゥルタイあたりの除去が丁寧なデッキ、自分よりサイズがひとまわり上で押してくるようなデッキには、これぐらい極端なプランで挑んだほうが勝率はいいだろうと思う。

 

殺意マンマンな生物しか残ってない。サイズ差を使って相手の攻めをいったん硬直させてから除去でどかし、2~3回のコンバットでぱんぱんとデカいパンチを入れていく戦い方になる。

 

シディシはせっかくの神話レアだけど、さすがにこの生物量じゃ入らないね。というか生物15枚入ってても投入を迷うかもしんない。3/3が出てくるんなら強いんだけど……。

 

 

 

雑感

 

というか、環境の印象のようなものを最後にすこし。

 

  • 変異への対応はだいたいこんな感じでいいだろうと思う。

    相手のマナが4マナ以下:
    2/2ブロックで十分。たとえば相手が先手で3t変異、後手のこっちも3t変異、次のターン相手の変異が殴ってくる、という展開なら、だいたい変異でブロックしちゃってよい。2/2ブロックでまず損はしない。

    相手のマナが5マナ以上: 
    タフ6あればだいたい生き残れる。3/6バニラ《軍用ビヒモス》は変異のほとんどをシャットアウトできる。が、そういうのを常に用意しておくのは難しい。軍用ビヒモスもあんまり積極的にデッキに入れたいカードではないし。

 

         軍用ビヒモス 

 

    • いちばん簡単なのはインスタント除去やトリックを握りながら2/2以上(変異でもよい)でブロックすること。相手のモーフコストを無駄払いさせられる可能性大。変異の接触戦闘は先に表返ったほうが圧倒的に不利で、相手にそうさせるよう積極的に誘導していくことになる。

      自分の変異に対し、相手の素直なブロック指定から思わぬアドバンテージをとれることもあるが、アンモーフは相当なマナ喰い虫でもある。手札がダブついているときはあまり攻防でのアド回収を欲張らず、相手の終了ステップにさっさと変異解除してしまったほうが良い場合も多い。

 

  • そういう変異をめぐる攻防を体験して、タルキール構えて待つが基本になる環境だと強く感じた。
    テーロスはソーサリータイミングでもガッと動き、強引に戦端をひらいてデカイパンチを通すのが基本だったけど、タルキールは数点のダメージを通すくらいなら返しの相手のアクションに睨みをきかせていたほうが最終的に勝ちにつながることが多い。
    たとえば変異アタックをスルーされたからといってすぐに変異を解除して4点とか5点を通すよりも、裏向きのまま2点ですませてマナを残し、相手の終了ステップにアンモーフしたほうが有利になることもけっこう少なくない。
    タルキールはトリックも除去もかなり多彩で、変異が睨みあう盤面では先にタップアウトしたほうがまず損をする、ということは強く意識しておく必要がある。

  • 環境は事前予測どおり、あまり早すぎず遅すぎず。タップインが多く、ファーストアクションが3t目変異とか戦旗というのも少なくなかった。

 

  • 除去は豊富だが、前述のようにマナを立たせたモーフが睨み合ったりするとかなり長引く。こうなるとアブザンは強い。長久はどれも入るだけ入れてよい。

 

  • 勝つにはやはり飛行でコツコツつついていくか、除去で地上の高打点を通すか、にらみ合わせまくっての長久で圧殺か、このどれかの勝ち筋が必要になってくる。このなかでいちばん安定性が高いのが長久だろうと思う。極端にいえば長久生物23枚でもデッキになるわけで。

 

  • 今回高タフネスの到達や壁飛行役が多く、飛行がわりと止まりやすい。《ジェスカイの風物見》なんかは、見た目よりもひとまわり弱いカードかなという気がした。

 

ジェスカイの風物見 サグの射手

 

 

 

ざっとまとめるとこんな感じかなー。

二回目はジェスカイで参加しました。個人的に強かったカードなんかも次のレポで書きますんでよかったらよんでみてください。

 

つづき:

 

 

  

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