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【MTG】コンスピラシードラフト大会に行ってきたよ

 

参加してきました。

 

 

だいたいピックに1時間、構築に20分、その後の四人対戦×2はどちらも1時間とかからず終了。だいたい3時間で一回し。

想像以上のアグロ環境で、盤面がグダることもなくかなりサクサクとプレイできた。ていうか二回戦じゃぜんぜん物足りん!

 

 

以下かんたんなレポです。

(カード画像は例によってWizards公式サイトのカードギャラリーから引用)

 

 

 

ピック

1stパック初手はレア《永遠王、ブレイゴ》を見つつも《剣を鋤に》一択。

 

永遠王、ブレイゴ 剣を鍬に

 

3手目に《硫黄の流弾》が流れてくるわかりやすいシグナルでそのまま赤へ。

相方を緑と白のどっちにするか悩みながらピックしていくと、5手目に《黎明をもたらす者、レイヤ》、終盤に《ボールドウィアの威嚇者》なんかが流れてきてそのまま重量級の赤白へ突入。

 

硫黄の流弾 黎明をもたらす者レイヤ

 

 

 二巡目は取るものがなく《狂気の祭壇》をしぶしぶピックするよーな立ち上がりだったけども、3手目ぐらいに《玉座の災い魔》が流れてきて有頂天。 三巡目には《バサンドラ》まで拾える。そして《硫黄の流弾》は気づけば3枚!

 

玉座の災い魔 戦いの熾天使、バサンドラ

 

この重量打線を活かそうと《孔の歩哨》《燃えがらの壁》《ブレイゴの名代》みたいなディフェンシブなカードを優先的にピックし、防衛でしのいでファッティドーン、みたいな教科書どおりのアーキタイプを目指していった。

 

このときは多人数戦=グダる=重量ボムで突破ゲーという認識があったので、この戦略はそれなりにいい選択なんじゃないかという感触があった。

 

 

あと1巡目は策略やドラフト介入アーティファクトを全然見なくて、あれこんなもんなの? 思っていたよりぜんぜん混沌としてないじゃーんと肩透かし感を味わっていたところ、上家が《ブレイゴの好意》《ムッツィオの準備》を始めとする策略を早いうちから根こそぎかき集めていたことが対戦時に判明する。

 

ムッツィオの準備 ブレイゴの好意

 

これってつまり、1巡目の色選択を保留しながら後の強力なアーキタイプ構築を指向できるわけで……な、なんてクレバーな選択なんだ!

恥ずかしながらぜんぜん自分の頭の中になかった戦略だったので素直に驚いた。

 

 

最終的にドラフト介入ファクトもちまちま出てたけど、ピックする順目が遅いだけで効果がほとんどなくなるカードも多くって、今回の大会ではそこまでのインパクトはなかったかな。《取引仲介機》なんかも相手の欲しいカードどころか色もはっきりわからない中での交渉なのでまずまともなトレードにはならなかった。

ただ、《歯車式足跡追い》だけは別。

 

取引仲介機 歯車式足跡追い

このカードがピックされてから対戦するまでの間だけで、見ず知らずのプレイヤーの名前があっという間に参加者中に浸透したのは面白かった。

 

 

自分がピックした介入カードは《好都合な宣言》と《霊気探知機》(《気高き院僧》記録)の二枚だけ。どちらも5~6手目くらいにピック。

 

好都合な宣言 霊気探知機

 

あたりまえだけど、《好都合な宣言》はデッキに入る17枚め18枚めのカードをピックするくらいなら絶対こっちのほうがいいよね。

 

 

 

構築

 

そんなこんな最終的にできたデッキがこちら。

 

RW Angel and dragons with defender

 

- 16 Creatures

《ボールドウィアの威嚇者》

《玉座の災い魔》

《議会の守衛》

《戦いの熾天使、バサンドラ》

カーストーディの従者》

《背信のオーガ》

2*《孔の歩哨》

2*《ブレイゴの名代》

《銀筋毛の狐》

《松明の悪鬼》

2*《燃えがらの壁》

2*《気高き院僧》

- 5 Spells 

《剣を鋤に》

《義務の制約》

3*《硫黄の流弾》

- 14 Lands

ミラディンの核》

7*《山》6《平地》 

 

 22枚め以降のカード:

・《黎明をもたらす者レイヤ》(威嚇者と迷う)

・《霊気探知機》(《気高き院僧》指定。威嚇者、守衛と迷う)

 

・3枚めの《燃えがらの壁》

(軽重の役割がもっとはっきり別れた構築にすべきか迷う。守衛・従者・威嚇者を抜いて土地・壁・レイヤを入れるか迷う)

 

・《走り回るトカゲ》《グレンゾの殺し屋》《トカゲ人間の兵士》《魂の目覚め》

(火力もあるし防衛パッケージ全抜きして軽めのアグロに寄せるか迷う)

 

・《狂気の祭壇》

・2枚めの《議会の守衛》

 

除去呪文5枚で後は壁&ファッティという 実に割り切ったデッキ。なんか普段の感覚だとすげー強そうに見えるレシピ。

 

あ、けっきょくレイヤは入りませんでした……。

というかピック時にはうろおぼえの記憶でてっきり7マナぐらいだと思っていたので、構築時にあらためてマナコストを見てびっくりした。さすがに出したターンに仕事しない9マナ4/6はいくらグダりそうとはいえ間に合いそうにないよ。

 

おなじく35枚デッキを組む上家のひとに計算してもらったところ、40枚デッキでの土地17枚=35枚デッキでの土地15枚らしいとのこと(厳密には17.1枚ぶん程度ですこし多い)。

平地サイクリングの《気高き院僧》2枚とマナ加速の《背信のオーガ》が入っているのを考えて14枚に。ただこれは失敗だった。

 

議会の守衛 カストーディの従者

 

《議会の守衛》はまったくの未知数だったのでお試し的に、同じく《カーストーディ》も効果は確定しないものの飛行戦線がちょっと頼りなかったので入れた。が、このどっちかはもうすこし小回りの効く《走り回るトカゲ》にするべきだった。

後述するけど、コンスピ対戦環境だと手札が意外と減らなくて、重いカードが手札でかさばって動きがぎこちなくなるシーンが多かった。

 

 

そんなこんな構築のあれこれありまして……

 

 

いざ対戦

いざ バトルロワイヤル。

一試合目。

vs

・黒青策謀《感染性の恐怖》無双

・緑白ミッドレンジ

・緑白黒ミッドレンジ

 

《ブレイゴの好意》《ブレイゴの好意》《ムッツィオの準備》《秘密の召喚》

4枚の秘策の指定を受けて、2マナ3/3で後続を呼んでくる超英雄《感染性の恐怖》4体に全員仲良く沈められました。

 

感染性の恐怖 秘密の召喚

 

6ターンか7ターン目で3人死亡という超スピードで手札のドラゴンが泣いている。

 

どうにか《感染性》を潰そうと相打ちの壁を用意しても、ブロッカーのないプレイヤーを殴りにいかれると止めようがない。こっちのライフがモリモリ減るのをただ黙って見ているだけであっちゅう間に死亡。残ライフ差で3位タイ、上位卓にのこれず。

しょうじき《感染性の恐怖》なんて自分はほとんどプレイアブルだと思っていなかったので、こういう見事な戦略勝ちを見せつけられると感嘆するしかない。

 

全員まとめて同時に殺せるならヘイトなんて関係ないのである。《感染性》二体に並ばれた段階で3vs1の構図を提案するべきだったが、どちらにしろ他は緑白だったので《感染性》の除去は困難だっただろう。

自分だけうまく二位抜けできるかも、と手札の《硫黄の流弾》を出し惜しみしてたのがあかんかった。おまえ! なに色気出してんだよ!!

このへんの小物的思考ほんと恥ずかしいっす……。反省っす……。

 

 

そんなこんなで下位卓へスライド、二試合目。

vs

・青黒《一石二鳥》コントロール

・青白《順風》飛行

・緑白黒ミッドレンジ

 

さきほどの凄絶な感染劇で仲良くいっしょに落ちた緑白黒ミッドレンジの人と友情がめばえる。この試合では協調路線を組むことになった。《義務の制約》をつけてあげて10/10のアルティメット・シイングを誕生させたり、協議でマナスクリューを助けてもらったり。

相手は相手で青どうしのタッグ。飛行や土地渡りに殴られみるみるライフが落ち込む。

全体除去のあと、どうにか《バサンドラ》を出してこっちの盤面は一安心、というところで降りそそいでくる二倍《暴君の選択》!

 

暴君の選択 一石二鳥

 

まず4点ライフが失われ、ライフが危険水域になったプレイヤーがこんどはsacを選ぶのでバサンドラもさようなら。2マナでどんだけ場を荒らしていくねん!

しまいに《吸魂》二連発を食らってしまい、最終的に自分はどうがんばっても退場するしかない状況に。手札の除去をぜんぶ吐き出して協調相手を勝たせてあげたかったが、手数が足りずにけっきょくあぼーん。ここでも3位。

 

3位+3位で6位という結果に。とほほ。

 

一試合目も二試合目も知らん角度から突然わからん殺しされたみたいな唐突なゲームエンドで「え、これで終わり?」という喪失感がすさまじかった。黒は奇襲力ありすぎだろ!

 

にしても廃位はほんとによくできてたと思う。完璧なバランサー。全員のライフが均一に減少してすこしずつ危険領域に入っていく感じがヒリヒリしてて面白い。誘導されてる感じがしない完璧なゲームガイド。さりげないアフォードで攻撃先をめぐる思考時間を短縮してくれる。

 

 今回自分が組めたデッキは普通のリミテッドならかなり強い部類に入ると思うけど、どこまでいっても普通のリミテッドの普通のフェアデッキの強さでしかなかったということなんだろうなあ。ほんとコンスピラシーの環境は魔窟だぜ。

 

とにかく二試合ではぜんぜん物足りなかった。もっとたくさん対戦したかったなあ。

 

 

 

環境の印象

 

というわけでさいごにコンスピ多人数戦の雑感。

 

 

 

・黒が実は火力の色

 

コンスピの黒コモンには《感染性の恐怖》《吸魂》《暴君の選択》《要塞の規律》と対戦相手総ライフルーズが実はどっさりある。

 

吸魂 要塞の規律

 

多人数戦は基本的に山を平らにならすように全員のライフを均等に調整していく=全員が平等に危険水域に突っ込んでいくわけで、そこで消耗した敵全員を突然まとめて刈りとれる全体火力の優位性ったらなかった。そのうえコンスピには突出したライフを戒める廃位まであるわけで、その兆候はますます強くなってる。

いきなり全員まとめて同時に殺せるならヘイトなんて関係ないのである。

それがいちばん強い戦略だとは思わないけど、1位をいちばんとりやすい戦略はたぶん黒の全体火力での奇襲なんじゃないかなあと思った。

 

 

 

 

・意外と早いアグロな環境

 

二回連続で黒にまとめて始末されるという特殊な試合が続いたせいかもしれないけど、とにかく意外とゲームエンドまで展開が早かった印象が強い。7マナの《威嚇者》とか一回も出せかった。

土地渡りなどの回避能力がいつも以上に多彩で、それに廃位が絡んで一発一発のパンチが重たく感じる。そんなにコンバットしてる感じはないのにいつのまにかライフがレッドゾーンで生殺与奪権を気づけば握られてたりする(そして黒赤の火力が全部まとめてもっていく)。

特に自分ひとりだけブロッカー立てられなかったら3人に殴られる可能性があるわけで、低マナ域の戦線確保はいつも以上に重要に思った。

 

 

 

 

 

 

・単体除去は交渉の道具

あたりまえだけど、盤面の脅威の量が単純に三倍なので単体除去ではすべてをさばききれない。

ふだんのリミテのように最大利率を求めて手札に除去を握りしめたまま本体テイクしてると、たぶん思ってた以上にライフレースに間に合わない。

多人数戦では、単体除去はむしろ交渉の道具として積極的にちらつかせないともったいない。土地渡りに殴られているだれかを助けてあげたり。それで助けた相手が誰か一人にトドメを刺せるってときに自分を見逃してもらうようにすると。トドメ刺す相手の選択に決め手なんてほとんどないので、そういう小さな恩だけで意外と命を救ってもらえたりする。

 

 

 

 

 

 

・思ったよりも手札が減らない

緑白が相手にいると協議のおかげで思ったよりも手札が減らない。なので長期戦指向で重いカードを詰め込んでも手札でだぶつき、軽い生物がテンポよく入った相手にリズムよく展開されてボコされることも少なくない。やっとファッティが出せたころにはライフはすでにレッドゾーンで生殺与奪権を……そこを火力……以下略。

なのでマナカーブが埋まるからとハンパな重さの生物をとるくらいなら多重キッカーのように小回りの効くカードを優先してとったほうがよいように思った。

 

 

 

 

 

・策略は初手でもおかしくない

個人的にいくつかの策略、たとえば上であげた《ムッツィオの準備》《ブレイゴの好意》《秘密の召喚》なんかは二巡目ぐらいまでなら初手でとっても別におかしくないカードだと感じた。

ハマった時のリターンがバカでかく、とりあえずでピックしといても100%デッキに入るのが確約されている。

要するに、策略はゼロリスクでハイリターンなコンボパーツだった。

コンボの基軸を早いうちに優先して抑えておくことで、以降のドラフトで極端なアーキタイプピックを強行できる選択権を自分だけ持てる。早いうちに集められれば集められるほどいい。

 コモンならまず2枚~3枚は同名カードをピックするチャンスがあるけど、もし同名カードをほとんど集められなかったとしても、たとえばデッキの中の3マナ2/2飛行を3マナ3/3飛行に書き 換えられるだけでも十分な仕事なんじゃないかなあ。

デッキのなかで一番投資効率のいいカードを選択的して強化できるわけで、この場合だと《ブレイゴの好意》は二回に分けて3マナ3/3飛行をピックしているのと同じ。

二巡目中盤までなら「18番目ぐらいにデッキに入るカード」をピックするより策略をピックしたほうが絶対有用な気がした。こっちは絶対デッキに入るうえに換えがきかないし。

 

 

 

 

というわけで、tenkoのドラフトレポでございました。

つーかほんとにめちゃくちゃおもしろかったっす。二試合じゃものたりない。

定期供給されるといいなあ。

こういうカジュアルイベントをちゃんと提供してくれるショップにも感謝することしきりです。

そんな感じでどっとはらい

 

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