【MTG】 カラデシュプレリ二回目レポ。白黒ディガーで2-1
初回のプレリレポ:
の続き。
環境の印象やプレリリース・キットの詳細などは前回書いたので、今回はカードプールのメモだけをさっくりと。
一回目の印象として機体が思ったより弱かったので、今回も白緑絡みのミッドレンジが組めたらいいなと思いつつ開封。
例によって記事内で使用されるカード画像はすべて、公式カードギャラリーからの引用です。
カードプール
引いたレアが
《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》がプロモフォイル。
び、ビミョ――!
リミテ微妙なレアが3/7。
残りも100点ボムって感じでは決してない。(《小物作りの達人/Master Trinketeer(KLD)》はもちろんクソ強いだろうが)
まあ前回がレアの引きよすぎたからな――と思いつつ、粛々とプールを整理していき以下内容。
白。
スペルのクオリティがイマイチだが、生物は
- 低マナ域のトークン+《第九橋の巡回員/Ninth Bridge Patrol(KLD)》+《小物作りの達人/Master Trinketeer(KLD)》が噛み合っていたり、
- 壁役+飛行で役割分担がキチッとできていたり、
- 《機械修復職人/Restoration Gearsmith(KLD)》+ブリンクの組み合わせができたりと、悪くはない内容。
枚数は最低限だが、70点はある。
青。
ギリギリ組めなくもないという程度のラインナップ。
低マナ域がキツすぎるので補色のフォローは必須だ。もし黒が強いなら、プールの内容と噛み合う《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》が採用できてオイシイが……
で、その黒。
アグロ向きなカードとミッド以降向きなカードで6:4ほどの割合で、欲を言えば除去がもう一枚欲しかった。
生物の内容は及第点前後だが、《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》を再利用するコンセプトや地上を相打ちさせて飛行で取り返すプランがしっかり見える。
個人的には好感触なプールだ。青の内容ともそれなりにマッチしてるように思う。
赤。
さすがに生物少なすぎてメインにしようがない。アグロ指向のスペルと生物量が噛み合ってない。
除去は無駄に豊富なのでそこだけタッチしようか、という程度。
緑。
これまたメインで組むのを諦めさせるような悲しい生物量。
多色サポートが2枚あるので多色化が唯一の生きる道に思える。
ランプ・壁・ファッティ・解呪に除去と要所は押さえているラインナップではある。
無色&多色。
《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》と《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》が緑系多色の道を後押ししている。
2枚の装備品と《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》がアグロや相打ちミッドレンジに強いインセンティブを与えている。
あとはメインカラーの隙間を埋めるパテのようなカードが多い。
パッと見た感じだと、緑多色か黒ミッドレンジ(黒白か黒青)という感じ。
赤はメイン検討の余地なしなのでわかりやすい。
実際にテーブルにソートしつつ、細かい内容を点検していく。
構築
最初に組んだデッキがこちら。
WB Digger Midrange
- 14 Creatures
《ドゥーンドの調査員/Dhund Operative(KLD)》
《第九橋の巡回員/Ninth Bridge Patrol(KLD)》
《鋳造所のコウモリ/Foundry Screecher(KLD)》
《武器作り狂/Weaponcraft Enthusiast(KLD)》
《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》
《小物作りの達人/Master Trinketeer(KLD)》
《亢進するアイベックス/Thriving Ibex(KLD)》
《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》
《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》
《機械修復職人/Restoration Gearsmith(KLD)》
《空渦鷹/Skyswirl Harrier(KLD)》
《ダッカラのゴミあさり/Dukhara Scavenger(KLD)》
《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel(KLD)》
- 9 Spells
《断片化/Fragmentize(KLD)》
《発明者のゴーグル/Inventor's Goggles(KLD)》
《放射篭手/Torch Gauntlet(KLD)》
《歯車工の組細工/Cogworker's Puzzleknot(KLD)》
《金属紡績工の組細工/Metalspinner's Puzzleknot(KLD)》
《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》
《隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)》
《放埒/Live Fast(KLD)》
《本質の摘出/Essence Extraction(KLD)》
《破砕踏歩機/Demolition Stomper(KLD)》
- 17 Lands
8*《平地》 8*《沼》
《発明博覧会/Inventors' Fair(KLD)》
採用を迷うカード:
《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》
《霊気装置の展示/Servo Exhibition(KLD)》
《不法仲買人/Lawless Broker(KLD)》
《プラカタクラブの用心棒/Prakhata Club Security(KLD)》
《偶然の発見/Fortuitous Find(KLD)》
※画像には載ってないが《歯車工の組細工/Cogworker's Puzzleknot(KLD)》が入ってジャスト40枚。
白黒の相打ちミッドレンジ。
ちょうど異界月プレリの一・二回目みたいな内容、というかあのときの構築の感触がすごく良かったのでまっさきに組んだデッキ。
地上を相打ちでグダらせながら《機械修復職人/Restoration Gearsmith(KLD)》を使い倒し、飛行+装備品でクロックを刻む。
サルベージ対象に《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》が絡めば地獄のように粘り強く戦える。このデッキなら《ダッカラのゴミあさり/Dukhara Scavenger(KLD)》もプレイアブルだ。
欲を言えば《偶然の発見/Fortuitous Find(KLD)》まで入れてコンセプトを貫徹させてしまいたいが、さすがにスペルの量が目一杯に思える。
このデッキでなぜ100点コモンこと《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》が入っていないのかというと、単純にコンセプトにマッチしないと思ったから……ではなく、その強さにぜんぜん気づいていなかったから。
一回目で機体は第一印象ほどプレイアブルではないと判断したので、この時点だと機体は不採用のバイアスが強く効いていた。
じゃあなんで《破砕踏歩機/Demolition Stomper(KLD)》が入ってるのかってことになるが、これは終盤でボードが煮詰まった時に《発明博覧会/Inventors' Fair(KLD)》のアクティベート先を用意したかったからだ。
でも貨物車も採用するべきだったよね。
続いて黒の相棒を青にスイッチした構築を検討してみる。
前回の経験からなるべくマナフラしたくないので土地は16に押さえてある。
しかし白黒に比べると細かい部分のバリューが寂しい。
アーティファクトカウントのために2マナ生物に《歓待する構築物/Eager Construct(KLD)》が入っていたり、白黒では入らなかった《不法仲買人/Lawless Broker(KLD)》や《プラカタクラブの用心棒/Prakhata Club Security(KLD)》が渋々入っていたり。
全体的に生物の線が細く、「地上をグダらせてる間に飛行で刻む」プランがきちんと成立するかはギリギリといった印象。
つづいて緑多色のルートを検討してみる。
これは緑黒t青。
及第点はあるが、欲をいえばもうすこし序盤のボードに硬さがほしいか。
《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》みたいなタフな3~4マナ生物があと1枚ほしい。
タッチ青の旨味があんまりないようにも感じる。
緑黒t白も組むが、
《永遠の造り手、ラシュミ/Rashmi, Eternities Crafter(KLD)》⇔《機械修復職人/Restoration Gearsmith(KLD)》
《誤動作/Malfunction(KLD)》⇔《小物作りの達人/Master Trinketeer(KLD)》
が入れ替わるくらいで全体の輪郭は同じ。
緑白tや緑青tは黒よりも優先する価値を見いだせなかった。
この時点で残り10分ほど。
こんな白青飛行まで組みだし、構築の迷路に盛大に迷いこみだす。
飛行・装備品・テンポスペルが噛み合ってるが2マナ域が弱い。及第点前後。
普通に考えればメインは白黒か黒緑tなのだが、この時の自分はなにをトチ狂ったのか黒青をメインにチョイスしてしまった。
たぶんレアが一番たくさん使えるからじゃないだろうか。あとコンセプトの一貫性とかもいちおう考えたらしいが、今見るとどう考えても白黒のほうが筋が通ってる。
あとでこうやって振り返ってみるとなんとでも言えるのである……
結果はいかに。
対戦結果
一試合目:赤白アグロ
ついにきた機体アグロ。線の細い青黒で耐えしのげるか。
だが相手が事故気味で難なく勝利。青黒のままで勝ってしまう。
○○
二試合目:黒緑ミッドレンジ
プレイバリューの往復ビンタみたいなデッキ。第1ゲームは当然のようにクロック速度で負け。
第2ゲームから白黒にシフト、ゴンティディガーでアドバンテージ勝負を挑む。うん、どう考えてもこっちのほうが強いね。続けて勝利。
×○○
三試合目:赤白アグロ。
事故気味なハンドを甘えキープすると、当然のように戒めを食らう。
相手のライフに1点も触ることなく死。
××
二回目のプレリは4-3で終了。
反省点としては、さすがにメイン白黒でいい。2マナが弱いテンポビートを選んではいけない(戒め)。
《破砕踏歩機》 は想像の五倍弱かった、けどやっぱり《発明博覧会》との兼ね合いで入れざるを得なかったかなと思う。
青黒はアーティファクトカウントが7枚ほどで、これでも不足感が強い。製造込みで8~9枚はほしい。白黒で《歯車工の組細工/Cogworker's Puzzleknot(KLD)》や《霊気装置の展示/Servo Exhibition(KLD)》を入れてやっと安定、といった感じ。
自分のカラデシュプレリはこんな感じでした。
ではまた次回、霊気紛争プレリで!
関連記事
【MTG】カラデシュプレリレポ。白緑で3-0。機体があんまり強くない……
前回の異界月プレリから早くも3ヶ月。
2016年9月24日(日)に開催された、カラデシュ/Kaladeshのプレリリース・パーティに行ってきました。
参加人数は20人ほどで、スイス3回戦。
パック代含めての参加費¥2500なり。
今回のプレリリース・キットの中身はこんな感じ。
- チョコボールみたいな感じでパカッと開く紙製のケース
- フォイル版のレアまたは神話レアカード1枚
- 「カラデシュ」ブースター6パック
- 20面ダイス型ライフカウンター(全5色からランダム)
- 紙製の小物ケース(20面ライフカウンターならちょうど6個入る)
- 飛行機械ペーパークラフト(トークンとして使える)
- 審判長テゼレット様のサインつき選考結果通知
全体としてはイニストラードを覆う影プレリのキットを引き継いでいる感じですが、今回は分離型の小物入れと飛行機械ペーパークラフトが追加されていますね。
プレリキットは「セットの世界観をプレイヤーにも追体験してもらう」のが目的の一つにもなっていて、セットごとにコンポーネントが変更されたり追加されたりしています。
新世界秩序の導入以降、MTGの特にカジュアルイベントはプレイ体験/体感を意識した作りに明確にシフトしていったように思います。
と余談はこれくらいにして、プレリの話に戻る。
ちなみに記事内で使用されるカード画像はすべて、公式カードギャラリーからの引用。
環境の印象
事前の印象では
白>緑>黒=青>赤
という感じ。
過去のプレリレポで何度も書いちゃってるが、シールドはドラフトと比べて
シナジーの掛け算よりカードパワーの足し算で戦う(コンセプトを尖らせにくい)
フォーマットなので、受けの狭いアグロ系のカードが枚数を占めている色はどうしても辛い評価を引く羽目になる。
で、今回の赤はアグロに寄りすぎている印象。
強化オーラや攻勢時専用トリック、アグロ指向の細い生物など、「相手より1マナ重い生物で返す」が基本の王道的ミッドレンジでは採用したくないカードが多い。
黒も同様にプールが全体的にアグロ寄り。ただ《骨読み》亜種と相打ち要因が豊富なぶん赤よりはミッドレンジ的な受けがしやすそうに思える。
青もエネルギー絡みのテクニカルな(単品では扱いづらく見える)カードが目立つ。コンボカラーといった感じでシールドではつらい。
で、白緑はそのようなプールの尖りが少なく、無難でアーキタイプの受けが広く見える。特に緑はコモンに《地勢》があるので雑な多色グッドスタッフに突っ込めやすい。
白なんかコモン2マナ生物のスペックがこれである。
過去最強レベルに強いんじゃないか、こいつ。
白黒なら相打ちと《グレイブディガー》系で盤面をグダらせている間に勝手に育ってくれる。
そんなわけでメインだと白or緑絡みのミッドレンジをやりたいなーと思いながら着席。
いざ開封の儀へ。
カードプール
引いたレアはこんな感じ。
箱を開けたら《スカイソブリン》がプロモFoilでお出迎えしてテンション爆上げ。
そして1パック目をむきむきするといきなりニッサがこんにちわ。
勝ったな……。
と周囲の知己プレイヤーに見せびらかしつつ、残りをスパパパパと開封。
以下がカードプール。
白。
航空戦力充実。除去もレアもある。
アグロでもミッドでも受けれるプール。悪くない。最低でも80点はある。
青。
2マナ域が2/1バニラしかいないのが痛い。
スペルも生物も強度にかなり極端な差がある。ピーキーなプール。
黒。
11枚+α。単純に枚数が足りない。この生物群だとボード構築ができない。
メインを張ることはないだろう。
赤。
これまた極端にアグロ寄りなプールだ。
2枚の3マナ3/2が活かせるかどうか、つまり機体との兼ね合い次第な内容。
緑。
10枚+α。黒以上の圧倒的な枚数不足……でもニッサが俺を呼んでいる!
生物も弾不足とはいえ軽いのと重いので採用圏内をキチッと引き込めている。
寂しく見えるが十分使う気になれるプールだ。
無色&多色。
機体4枚、その最奥でスカイソブリンが絢爛豪華に輝きを放つ。
3・4・5マナの生物はどの色を使うとしてもすべて採用可能で、メインカラーの虫食いをうまく補強してくれそうだ。
未知数なのが機体の性能、つまりどの程度の枚数が採用圏内なのかということだが……。
とりあえず白はほぼメイン確定に思えるので並べつつ、補色を考えながらマナカーブ順に並べていく。最初はレアに従う法則で、まずは白緑をトライ。
構築
というわけで組めたデッキはこちら。
GWu Goodstuff Midrange
- 13 Creatures
《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》
《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk(KLD)》
《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》
《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》
《高峰の職工/Highspire Artisan(KLD)》
《捕獲飛行機械/Snare Thopter(KLD)》
2*《プロペラの先駆者/Propeller Pioneer(KLD)》
《霊気嵐のロック/Aetherstorm Roc(KLD)》
《空渦鷹/Skyswirl Harrier(KLD)》
《多用途な逸品/Multiform Wonder(KLD)》
《僧帽地帯をうろつくもの/Cowl Prowler(KLD)》
- 10 Spells
《発明者のゴーグル/Inventor's Goggles(KLD)》
《断片化/Fragmentize(KLD)》
《航空艇/Sky Skiff(KLD)》
《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》
《人工物への興味/Appetite for the Unnatural(KLD)》
《特権剥奪/Revoke Privileges(KLD)》
《誤動作/Malfunction(KLD)》
《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》
《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》
- 17 Lands
8*《平地》 7*《森》
《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》
《植物の聖域/Botanical Sanctum(KLD)》
採用を迷うカード:
《領事府の空船口/Consulate Skygate(KLD)》
《霊気装置の展示/Servo Exhibition(KLD)》
《忍び寄るカビ/Creeping Mold(KLD)》
《アラダラ急行》
紫色が採用を迷うスロット。
7枚中5枚のレアが入るとってもゴージャスなデッキ。
ちなみに画像には載ってないが、最初は《アラダラ急行》が入っていた(そして最後にはあまりの弱さに抜けていった)。
白緑の内容はかなり手堅いが、メインで青タッチするかが一つの悩みどころ。
抜けば低マナ層のブロッカーが厚くなるが、とうぜん同速以下に弱くなる。環境が想定より早いかどうかが焦点となるが、自分はこのままでいくことにした。
余った構築時間で赤緑も検討する。
土地を1枚抜き、5~6マナを減量してアグロ寄りのチューンにすることも考えられる。とはいえ、《スカイソブリン》や《ニッサ》を適正ターンに安定運用することを考えると、土地17でミッドレンジの横綱相撲をしたほうが手堅そうに思える。
生物のマナカーブが非常に美しくまとまっていてポイントが高い。
スペルは機体と解呪にほとんど終始していて盤面を一度支配されると取り返せないだろう。とはいえ、もし盤面が膠着したとしても《尖塔横の潜入者/Spireside Infiltrator(KLD)》という飛び道具が2枚もあるのが嬉しい。
この段階で難しいのは機体の採用枚数だった。自分はだいたい装備品と同じ感覚で判断していたが、だとすると4枚はやや多い。とはいえ《尖塔横の潜入者》との兼ね合いもある。
《高速警備車/Fleetwheel Cruiser(KLD)》は《博覧会場の恐怖/Terror of the Fairgrounds(KLD)》(4マナ5/2バニラ)でいいかもしれない。
先にも触れたが《アラダラ急行/Aradara Express(KLD)》はこの時点では自分はかなりのパワーカードだと思っていたので、抜くという考えはまったくなかった(そしてその考えは後の対戦を通じて訂正されることになる)。
他の色の組み合わせについては、ちらりと見ただけで検討する価値なしと判断した。
この2つの完成度に並び立つものは組めそうにない。
そうこうしてるうちに構築時間終了。
いざ対戦へ。
対戦結果
一試合目:黒緑ミッドレンジ
何度も蘇る《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》にカードを盗まれまくるイヤらしいデッキ。
第一ゲームは飛行につつかれ、盤面にらみ合いにしたところで《丈夫な手工品/Durable Handicraft(KLD)》の回転を止められずにそのまま圧殺。
第二・第三ではゴンティの網を華麗にすり抜けてニッサが暴力を振るう。
使っているこっちとしてはいつ出せば落とされないかビクビクしながら慎重に投下して運用していくわけだが、相手からみるといつ出てきてもゲロ強だったようす。
レアパワーで圧殺!
×○○
二試合目:青白テンポ
《ドビン・バーン/Dovin Baan(KLD)》《発明の天使/Angel of Invention(KLD)》の二大神話入りのテンポデッキ。
互いのクロックがすれ違うライフレースになるが、こちらのほうが打点が大きい。
最後は《スカイソブリン》が攻撃ついでにドビンをビームで薙ぎ払って勝利。
数ターン遅ければ《パンハモニコン/Panharmonicon(KLD)》+《発明の天使/Angel of Invention(KLD)》が成立していたという恐ろしいデッキだった。
○○
三試合目:緑白ミッドレンジ
ミラーマッチに近いが、向こうは飛行クロックが多め。
1ゲーム目を取ったあと、2ゲーム目の危うい初手を甘えのノーマリガンしたところ盛大に死亡。
しかし3ゲーム目は危うげなく取りかえす。
○×○
6-2で1位タイ。
《ニッサ》《スカイソブリン》というレアパワーもあるが、7戦やってノーマリガンだった影響もある(三試合目第2ゲームではそれで死亡したが)。
無色多め、シンボル少なめなので色事故が少ない環境なのだろうか?
ともかく商品のパックをもらう。
しこたまフリープレイで遊んだあと、二回目のプレリへ。
環境の印象
- カラデシュにはキッカー系キーワードや複数回起動にうまみのある起動型能力といった余剰マナの注ぎ込み口がない。
つまりマナフラの受け皿がない。
コンバットトリックが強いので多少お見合いしても盤面の突破は難しくない。なのでマナフラ=死亡という感じがした。ミッドレンジでも軽めのチューンになった場合、土地16+キャントリップ系などでマナベースを運用できないかは常に検討する必要があるだろう。 - 機体はそんなに強くない。装備品より弱い印象。デッキには入って2枚だろう。そして2体~3体タップしないと運用できないような(つまり搭乗3以上の)機体は格段に評価が下がる。搭乗のために盤面のにらみ合いが維持できず、結局相手とのダメージレースになってしまうからだ。
採用するなら搭乗1~2の序盤に出せる機体で、それ以外は個人的にはあまり積極的に採用したいとは思えなかった。 - 黒のコンバットトリックが強い。2マナで二択を迫れる。
今回の黒はかなりのアグロカラー。ただしアーティファクト参照が多いので二色でも《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》を採用するとか《組細工》を多めに入れるとか工夫が必要に感じた。
環境のざっくりした印象については以上。
二回目のカードプールについては、また次回に。
ではでは。
過去のプレリレポ
【MTG】 コンスピラシー:王位争奪(2016)発売記念パーティに行ってきた。青赤で優勝
2016年8月28日(土)に行われた記念パーティに行ってきました。
以下、本文中に出てくるカード画像はすべて公式のカードイメージギャラリーからの引用です。
ちなみに初代コンスピラシーのレポ記事はこちら。
もう二年前ですよ。当時はテーロスブロックでした。
月日が経つのは早い……早すぎる……
参加者10名全員が一つの卓でドラフト、参加費1050円、取り切りナリ。
取り切りと聞いた時はピック歪むんちゃうか? という考えがチラリとよぎったが、「プール内容的に、純粋なパーティゲームとして楽しむことを優先した方がいい(順位を気にしてギスギス楽しむ類のゲームではない)」という他参加者からの意見を聴いて納得。
ピック後は3人・3人・4人卓に分かれて対戦し、各卓の成績順に再度3組に振り分けて決勝戦となる。
環境の印象
事前にプールを見た印象としては、やはり同名固め取り+策略プランが強そう。
アンコ以上の策略は初手級で、コモンの一部にも早い順目で抑えたいものがある。
特にレアリティに対して強さが飛び抜けていると思うのが緑。
あまりにも安すぎるコストで簡単にゲームエンダーを確立させられるうえに、重ね張りにも意味がある。
飛行かトランプル持ちあたりを複数枚ピックできれば最高にウマいが、別に《青銅の黒貂》あたりを強化していってもフツーに強い融通の効きっぷりがすごい。
じわじわくるイラスト
同じコモン策略でも白や赤は重ね張りしても意味がないのに! ズルい!
あとはアンコモンの策略もかなりめちゃくちゃなことをしてくれる。
《残響する加護》の相方は青・赤・緑あたりが基本になる。2枚以上とれれば宇宙。
赤なら《招雷弾》を自分に打ち込んで5点割り振りにしてみたり、緑なら《ツキノテブクロの毒》や《抑えがたい餌食》による馬鹿ドローや《数の力》による一撃必殺など。
個人的には《記憶の壁》+バウンス呪文(《排撃》か《虚空への突入》)の組み合わせによる無限バウンスがいちばん面白そうかなと思う。どちらも比較的に安めにとれ、記憶の壁の能力のおかげで実質1枚コンボとして扱える。
というわけで緑のコモン策略を軸にしたミッドレンジか、呪文策略を軸にした青・赤系のコントロール系ピックが明快でわかりやすいかなという印象だった。
各色の強度に関してはかなりバランスがとれている感触を持った。どの色も同じくらいの強さで、どのアーキタイプにも等しくチャンスがある。
ただし白赤のアグロだけはノーチャンスって感じ。
序盤前のめりに攻めても1vs3の構図を作るだけ、世界の敵になるだけのリスクに見合ったリターンがあるとは思えなかった。
(アーキタイプ用二色カードの中でいちばんヘタを掴まされているのが白赤)
また初代コンスピが廃位(と手札を供給する協議)のおかげで想像以上のアグロ環境だった印象があり、今回もその体験を引きずって序盤のボード構築要員の評価は多人数戦ながらかなり高めに見ていた。
統治者や使嗾といったギミックも泥臭い殴りあいを明確に推奨している。
なかでも飛行持ちは相手から冠を奪う尖兵としても、冠を守る見張り役としても有用なので特に評価を高くしていた(尻でっかちならなおさらよし)。
しかし序盤の攻防が重要とはいえ、タフネス1についてはコモンに咎めるカードが多いので(《よろめくゴブリン》《爛れ暗がり》《招雷弾》《ごたごた》)、なにかのついでに除去されやすく、評価を高くしすぎない方がいい印象を持った。
そんなこんなで事前に色々と理論組みをしていたわけだが、その答え合わせはどうなるか。
ドラフト開始。
ピック
一パック目でショーテルがこんにちわ。
あら~~~~。
1枚でドラフト代の元を取る。取り切り最高や。レア策略があったら悩んでいたかもしれないが、他に取るカードも薄かったのでピック。
2手目で待望の《残響する加護》をピック。指針が決まる。
3手目は《ダスクマントルの予見者》の一周が見えるパックで、青のカードを拾いつつ青黒に期待を込めるが、ここで上家がピックした《現影の密通者》を公開。
さすがに3手目のカードとは思ってなかったのでシグナルとして受けとる。
と思ったら今度は下家が《尖塔の幻影獣》を公開。
まさかの上家と下家で青サンドイッチ勃発。
えー、1ミリも青やれません。
《残響する加護》をいちばん強く使える色を失うのは悲しい……悲しすぎる……でも上家に逆らってもいいことないからね……。
ともかく青は避け、上から降ってくる色を素直に見定めることにした。
するとどうやら赤が流れてきてるように見えたので赤をとりつつ、二色目は白か黒かなといったところで一巡目終了。
《窯の悪鬼》と《招雷弾》が数取れるのを目指すピックになりそうだ。
しかし結局このラウンドでは策略カードを他に1枚も見ることなく終わった。そりゃみんな同じこと考えてるわな……
二巡目初手、《残響する加護》2枚目がこんにちわ。僥倖&即ピック。
これを《密通者》に覗き見されるが、個人的にはこれって策謀ピックが多い一手目に使うカードじゃないと思うんだけど……コモン絡みでいちばん選択肢が濃厚な5手目ぐらいに使うカードな気がする。
3手目、4手目に《硫黄破》が続けて流れてきて赤ガバガバなのを確認。
下家の熱い赤やれコールをしっかりキャッチ。いいんだな君たち。
7手目でゴミ焼却(7点火力)、8手目に《紅蓮の狩り手》(5マナ8/8威迫)をゲットできてしまう。本当にいいんだな君たち。
2コンボだドン!
そんな感じでほぼ赤単気味にピックできるも、二色目がいまだに確定しない。
というか上家が白のカードだったり緑のカードだったりを公開していてまったく色が掴めない……黒だけは単体除去がガバガバに流れてくるが、《残響する加護》系アーキタイプとはいまいち噛み合ってないので踏み切れない。
この時点で18枚ぐらいプレイアブルな赤のカードがピックできている。白は3枚、青は4枚、黒と緑は1枚ずつ。相方はどうするべきか……
そして始まる三巡目、《石殴りの巨人》からスタート。
すると上から《切望の孔雀》が流れてきて、青の空きを確認。
この子強いよ
二色目を確定させ、急いで青いカードをかき集めていく。
すると七手目あたりで《虚空への突入》、《記憶の壁》などを拾えて目指すアーキタイプのひとまずの達成を見る。
試行錯誤のすえ、できたデッキはこちら。
《島》《山》ともに8枚ずつ。
入ってないカードは《実物提示教育》、《炎の切りつけ》2枚、《蒸気の精》など。
ソーサリータイミングの単体除去の評価は低い。
かなり重た目な構築で、組みながら不安があった。
4マナ域を1枚減らして《蒸気の精》を入れるかかなり悩んだところ。
ただ、やはりタフネス1はどうしても評価が辛くなる。ブロッカーとしての性能がほぼゼロな以上、序盤のライフを多少犠牲にしてでも後半のボードで他に劣らない方が強いと思った。確信できるほどでないので迷いに迷うが……
また全体プレイヤー火力がヘタな単体火力よりも強いのは初代コンスピの経験から理解していたので、明確な勝利手段として意識的にピックして構築に組みこんだ。
欲を言えば、青か赤のコモン秘策が1枚ぐらい欲しかったところだ。ほんっとーに自分の周囲は秘策の回りが悪かった。
そんなこんなありつつ構築時間いっぱい。
いざ対戦、結果はいかに。
対戦
一回戦目:
当然のごとく《自然な団結》を固め取りしている緑プレイヤーが一人。
《猛獣の解放者》をすくすく育てる鬼のような構築。
しかし必然的にヘイトを稼いで世界の敵になる。
他にも《君主の領域》を使った5色デッキが無茶苦茶な色拘束のパワーカードを連打して注目を集めたりした。
ちなみにそれが自分の上家。おいィ! だからシグナル無茶苦茶だったのかよ、おファックですわ。
そんなリッチな策略、一体どこでピックしたんだ君たち……1枚も見たことなかったゾ……
ところで多人数戦リミテは構造的に飛行が普段より何倍も強く感じた。
単純に殴れる選択肢が3倍あるという攻撃面でのメリットもあるが、それ以上に「飛行を持っているプレイヤーに自分を攻撃する理由付けを与えない」という防御面での有用性が大きく感じた。
4位なのに飛行から殴られるのは飛行を持っていないおまえが悪い、ということだ。
飛行を止める壁役がいないと、なにかのついでのように他プレイヤーの飛行クリーチャーからライフをチクチク刻まれてしまう。
なにより飛行はスタッツが控えめなので他プレイヤーから見てそこまで盤面的な脅威に映らないのもいい。
今回の自分は飛行生物たっぷりで、相手をチクチク刻む側の人間だった。うまく全員のライフを平等に火力圏内に落としていき、インスタントタイミングで他プレイヤーを排除できるように立ち回っていった。
他プレイヤーのクリーチャーに《統率のとれた攻撃》を打ち込む協力プレイもしたりして、うまく上位2名に残り決勝卓へ勝ち上がる。
もう一名は《君主の領域》で自分の盤面を固めていたプレイヤーだった。
二回戦目:
やはりここにも《自然な団結》固め取りするプレイヤーあり。
安い《青銅の黒貂》(2マナ2/1バニラのアーティファクト・クリーチャー)をすくすく育てる構築がイケてる。
自分の盤面をいまいち強くできずに序盤から中盤にかけてけっこうパンチをもらう。
実は手札に《どぶ潜み》をずっと持っていたのだが、これを出すと世界の敵となり今以上のズタ袋と化すことを知っていたのでひたすら握りこんで時が来るのを待っていた。
とにかく《自然な団結》を持ったプレイヤーの盤面が強く、コンバット絡みの選択肢をほとんど一人でコントロールしているような状況だった。
《石殴りの巨人》((3)(R)(R)5/4で怪物化すると地上全員を1ターンブロック不可能にする)や《ヘイヴングルの吸血鬼》((2)(R)(R)2/2、他のクリーチャーが死亡するたび+1/+1カウンター1個乗るスリス能力持ち)などのクリティカルな生物を出しても、すぐにどこかから余った除去が飛んできてしまう。
中盤を過ぎて全員のライフが一桁に入ったころ、《君主の領域》のプレイヤー(上家)が《地底の揺れ》を打ち込んでボードが更になったところで一気に動くことにした。
《記憶の壁》をプレイして《虚空への突入》(2体バウンスの(3)(U)ソーサリー)を拾い、 《残響する加護》(《記憶の壁》指定)×2を表向きにしてからの5体バウンス!
&《記憶の壁》回収!
他プレイヤー全員が「うおおおおおお」とか「それはヤバイわ!」とか人が喜ぶような素敵なリアクションをしてくれたので、自分も今世紀最大にドヤる。
同時に自分が世界の敵になったことも自覚するが、これだけ全員のライフが刻まれてたらもう関係ねえ!
おらっどぶ潜みからのスペル連打をくらえっ!
2点、2点、2点! で一挙に二人のプレイヤーを落とし、最後は《自然な団結》プレイヤーとの一騎打ちに。
飛行に対する《凶暴化》が通れば即死、というラストアタックを《硫黄破》で返して
決・着!
というわけで1位になれました。やったぜ。
ピック中から対戦までずっと盛り上がりっぱなしで楽しかったぜ。
みんなもコンスピラシーやろうな。
謎のテンションのまま〆。
次はコンスピラシー:ブレイゴの復活に期待だね。
MTGプレイレポ記事
ほぼプレリレポや
【MTG】 異界月プレリレポ。青黒で2-1、白黒で3-0。結論:白強い。
前回:
前回から早くも三ヶ月。
7月18日(日)に行われた異界月/Eldrich Moonプレリリースパーティに二回連続で行ってきました。
今回もカードプールと構築の記録を簡単にメモ。
環境の印象
今回はあんまりカードリストをじっくり眺めるヒマがなかったけど、SOIから弱小色がだいぶテコ入れされてる印象はある。
特にSOIで明らかにババ引かされてた青が露骨に今回テコ入れされてる感じ。2マナ3マナの生物が明らかに普段よりタフネス1ぶん大きい。
いつもなら1/2とか2/2のスペック。
対して今回、赤があんまりパッとしない感触。単体で戦える優秀な狼男が減り、窯の悪鬼や吸血鬼などの絡め手がより強くなった感じがある。
EMN単品で見たら個人的には白>緑>青>黒>赤ぐらいの感覚でいた。(青評価しすぎか?)
とはいえSOIシールド自体ぜんぜんできてないし、正直いって今弾のシールド環境の理解度はかなり低いです。事前印象もクソもないな……。
というわけで粛々と開封の儀に映るのである。
記事中のカード画像はいつもどおり、公式カードリストからの引用。
開封
出たレアが
ガイアー岬がプロモフォイル。
構築観点で見ると30点ぐらいの引きだがシールドだと50点くらいはあげられそうな内容だ。《霜のニブリス》も《闇の救済》もゲームの決着要因になりうるカードだし、無色3マナ3/3の万能性はマナカーブを埋める上でかなりありがたい。
というわけで各色別のカードプールはこちら。
白。生物はどれも及第点だがやや寂しい枚数。
スペルに至っては使用に耐えうるものが1枚もない。
青。
レアはそれなりで、スピリットシナジーも十分量ある。スペルシナジーを要求するカードも多い。
ただ肝心のスペルがいかんせん弱めか。低マナ域もかなり厳しい。
3体の《夜深の死体あさり》が強烈に印象に残るが、やっぱり低マナ域がほとんどない。除去のスペックには惹かれるものがある。相方で生物を補填できれば。
赤。《稲妻織り》と《気まぐれな霊》+《正気の欠片》はアツい、が、肝心のスペルの質があまりよろしくない(ソーサリーが弱くて《正気の欠片》が活きない)。それ以外のクリーチャーは総じてアグロ気質で、ちぐはぐなプール。
緑。枚数は潤沢だが、マナカーブバランスはぎりぎり及第点といったところ。
強みになる部分がなくパッとしない。他のボムカラーのカーブを埋める捕色的な印象。
無色と多色。地味なラインナップだが3マナ生物を無色で補給できるのはおいしい。
並べて見ると、青・黒は強みのあるプールだが低マナ域が弱く、白・緑はクリーチャーのカーブを埋められるがこれといった強みがない、赤は呪文とクリーチャーの傾向がちぐはぐ。
というような印象を持った。
ひとまずレアの多かった青を机に並べ、順番に構築を検討していくことにした。
構築
最初に組んだのが青黒ゾンビ&スピリット。レアで選んだ。
2マナ域があまりにも弱すぎる。インスタントソーサリー6枚しかないのにマナカーブ埋めのために《ホムンクルス》を泣く泣く採用しないといけない状態。3マナ域もそこまで線が太いとは言い切れない。
それと《夜深の死体あさり》3枚はさすがにやりすぎ感漂う。(1枚は《スレイベンの異血種》のほうがいいか)
ディスカード手段が多いのでグレイブディガー能力はまずスカらないようには見えはする。
5マナ域まで地上を流せたらあとはサルベージでグダらせて飛行で刻める構築だが、果たしてうまく延命できるかには不安が残る。
いちおう青赤果敢も見てみる。
見てのとおり採用されてるラインナップにかなり無理がある。序盤数ターンは1マナ吸血鬼さんにどうにか盤面維持してもらおうという感じなのか。さすがに頼みの綱が細すぎる。
スペルクラフトデッキだが肝心のスペルの性能がかなり微妙だ。特化構築を求めるわりに見合った爆発力がない。
続いて白緑人間。
さすがにマナカーブはかなり綺麗だ。グリフ2体に+2/+2装備品というプランもある。
ただスペルが弱い。《恩寵借用》のような全体強化スペルが1枚あれば完成度はぜんぜん違って見えたのだが。
と、このあたりで構築時間が終了。のんびりやりすぎた。まだまだ構築を検討していない組み合わせがあるのだが仕方なし。
この3つだと白緑人間が安定しているように見えるが、それは前回さんざん遊んだせいで既視感が強かったので、とりあえずレアを大量に使える青黒を選ぶことにした。せっかくのプレリだし新鮮なカードをたくさん使いたい。
というわけで、2マナ域激細の青黒を片手にいざ対戦席へ。
戦績
一試合目:黒緑t青赤
どちらも相手の立ち上がりが遅く珍しいことにダメージレースで勝てた。
○○
二試合目:赤緑狼男
いきなりウルリッチが降臨して背筋が凍るが、変身前にX=4の《闇の救済》がウルリッチにギリギリで届いて勝ち。二戦目も相手が序盤詰まった隙にクロック維持して勝ち。
○○
三試合目:緑白アグロ
第一ゲーム、相手ダブルマリガンするもこちらのクロックが細く、大して優位を取れないまま《ハンウィアーの民兵隊長》《異端聖騎士、サリア》が着地。変身を防ごうと《民兵隊長》を二回バウンスして時間を稼ぐも、《サリア》にダメージレースを破壊されて死亡。
後に隣で見ていたベテランプレイヤーに話を聞くと、変身は一回通して《荒原のカカシ》を先に着地、《沼》2枚を引っ張ってきてから《殺害》を打ち込んだほうが良かった、とのこと。
相手ダブマリで土地詰まり気味だったので、スクリューのうちに勝とうと焦りすぎた(結果《サリア》にレースを狂わされた)。ダブマリだからロングゲーム指向でアドバンテージ勝負しかけたほうがよかった、と言われて、さもありなんといった感じ。戦っているときはまったく気づかなかった。アホ~!
第二ゲームも地上と飛行でダメージレースになるが、単純に押し負け。
××
結果、○○○○××で2-1。
反省
試合終了後にアドバイスをもらったところ、どうも白黒で組むのが正解だった様子。
白は生物10枚のみ(スペル0枚)というプールの乏しさから、無意識のうちにアグロ以外の構築プランを排除してしまっていたが、これが最大の間違いだった。
白黒の相打ちミッドレンジを組むべきだった。
序盤は生物同士のトレードで凌ぎ、3枚のグレイブディガーで終盤に消耗からリカバリーする。クロックは必要量揃っているし、何より3マナ2/2飛行が2枚あるのが太い。マナカーブも美しい。
青黒はやはりというか序盤の線が細すぎ、必要なトレードが一回り遅くなって負けることが少なからずあった。この白黒こそが3枚ある《夜深の死体あさり》をいちばん活かせる構築だった。
どうすればこの構築に辿りつけたかを考えると、枚数の先入観を捨てる。コンセプトとマナカーブの合致をきちんと見る。結局これしかない。
というわけで一回目のプレリは反省点が非常に多かった。
ちなみにその次の会も連続で参加してきた。
そのとき出たレアはこんな感じ。
レアが9枚もある、しかもリリアナさん出ちゃったよ。
また青スペルクラフト組めみたいなプールですけど……?
というわけで全カードプールはこちら。
白。除去あり生物あり、強力オーラに対して回収ギミックあり。文句ないカードプール。
青。《完成態の導師》あり《氷の中の存在》あり《潮からの蘇生》あり、強烈なスペルクラフト思考。ただ生物もスペルも枚数が微妙に足りてない。現出ギミックがあれば物足りない3マナも活きたが……
黒。除去ありボムありリリアナあり。生物が際どい枚数だがどれも採用圏。相方が2マナ圏を補えれば文句ない。
赤。火力はあるが、生物が悲しすぎる。まず普通の構築はできそうにない内容。一応青と組めば《霊魂破》も使ってスペルクラフトが組めなくもない……のか?
緑。2枚の格闘除去と整ったマナカーブ。生物のスペックも悪くない。ただしボムがない。進んで選ぶというよりボムカラーのマナカーブを揃えるために選ぶ補色的な立ち位置。
無色と多色。《タミヨウの日誌》強い。装備品4枚ある。昂揚補佐に《テラリオン》もある。平均以上のプール。
青赤が生物スカスカでスペルクラフト指向、緑がボムないけどカーブは整ってる。
と一回目と似たような既視感の強いカードプール。
違うのは白のスペルが潤沢なことか。
というわけで今回はメイン構築で迷う要素がなかった。
さっきの反省を活かした白黒ミッドレンジ。
序盤は相打ちでごまかしつつ終盤サルベージのアドバンテージ差で勝つ。
うむ。まったく既視感の強い構築だ。
一回目でアドバイスをもらったプレイヤーに見せたが構築にダメ出しを貰った(《悪魔の棲家の狐》はメインに入らないらしい。マジか……)。
いろいろ指摘してもらったあとに、ぽつり「優勝おめでとう」と言われる。
あらっ、そんなに強いのかしらこのデッキ……まあ自分でも自信はある。
時間が余ってしょうがないので青赤スペルクラフトや黒緑ミッドレンジ、赤黒吸血鬼なんかも組んでみるが、この白黒を組んだ後ではまったくプレイアブルに感じない。
選択肢に残してもいいかと唯一思えたのが緑白。
《タミヨウの日誌》まで抜いてのアグロオールイン。
白黒でも勝てないようなボム8枚重爆撃デッキみたいなのを速度で轢くために一応容易した。
これまた全体強化スペルとか《鼓舞する隊長》が1枚あれば完成度が違って見えたのだが……まあサブ構築で贅沢は言わない。
というわけで今回は自信満々に対戦テーブルへ。以下記録。
戦績
一試合目:白青テンポアグロ
自分先手。相手が2ターン目にプレイした2/1の返しにリリアナ。+1で相手が投了。3ターン目リリアナはゲームになりませんね……。
ただ、先後が逆だったら強化オーラがついてリリアナを崩せていたという。ひょえー、なんちゅう魔境だ。
二ゲーム目、1マリするも除去、除去、ひたすら手札に除去が溢れて勝ち。
○○
時間が余ったのでフリーでかなり相手してもらうが、わりとそっちではボコられる。
今回この強化オーラが地獄の鬼のように強い。
たとえば1ターン目《スレイベンの検査官》に2ターン目これがつくと実質ゲームエンド。別に3ターン目に2/2につけてもよい。2ターン目に出た3/4や4/4を自分が死ぬまでに除去できるカードは環境にほとんどない。青のバウンスやタップがせいぜい。
このオーラがヒドイのは、盤面からとりのぞかれても後でコイツ使って回収できること。ドツかれながらもなんとか4/4を除去したと思ったら、5/4飛行のおかわりイージーです。
しかもこのオーラ自分をサクれるのでゲーム終盤は能動的に付け替えできちゃう。
これを地獄の鬼と言わずしてなんという。
そんなわけでフリープレイではかなりドツかれてトラウマをもらう。
フリーでよかった。ていうか自分も引きたかったなそのオーラ……
二試合目:黒緑t赤ミッドレンジ
ミッドレンジにタッチ《ウルリッチ》と火力、みたいなデッキ。
一ゲーム目は盤面を大事にしすぎ、過剰にテイクを受けてしまいライフが6まで落ち込むも、《墓ネズミ》《死体あさり》合体で盛り返す。
二ゲーム目は危うげなく勝ち。
○○
三試合目:黒緑t白ミッドレンジ
ギトラグとシガルダにタッチ白の除去オーラみたいなデッキ。トラッカーと調査ギミックも入ってロングゲームでも戦える。地獄の鬼かよ!
一ゲーム目は順当にボコされるが、二ゲーム目では3ターン目リリアナから奥義決まる。3ゲーム目は長引くものの、未達の旅オーラを未達の旅オーラで除去して勝ち。
×○○
○○○○×○○で、無事優勝!
カードプールの引きからするとまあ順当な結果です。配牌運も良かった。
というわけで計二回参加したEMNプレリはこれにて終了。
結論としては白が強い(あたりまえすぎる結論)。
ただでさえ生物優秀な色だったけど、オーラ回収ギミックが加わったことで消耗戦でも戦えるようになってしまった。もちろん巨人の力オーラで雑殴りしたっていい。
黒も5マナグレイブディガーを手に入れたので、黒白の相打ちミッドレンジみたいなデッキはかなりタフなアーキタイプになったんじゃないかと思う。
みなさん白をやりましょう(あたりまえすぎる結論)。
というわけでまた次のプレリへ!
次回カラデシュでお会いしましょ~。
過去のプレリ記事
【MTG】イニストラードを覆う影 プレリ二回分のカードプールメモ
異界月プレリのレポじゃないです。
信じられないと思いますがイニ影のプレリレポです。
前回プレリレポの詳細を書くといっていたのだが、直後に地震が起こっていろんなものが吹っ飛んでしまった。(まあもともと二週間後にレポを書いていた人間だけど)
自宅が被災したが、カードが無事だったのは幸いだった。
で……もはやレポとしての鮮度は一ミリもないのだが、明日から始まる異界月プレリに備え、前回のプレリのカードプールのメモだけはしておかねばと思った。
というわけで、まず一回目。
2016年4月2日、土曜のジャスト0時から行われた深夜プレリのぶんの記録。
参加人数は30人強で、スイスラウンド3回戦だった。
プレリの参加キットはこんな具合(当時ブログ用に写真を準備していた)
タミヨウ女史の日誌を模したユニークな外装。正方形に近く実用性は微妙か。
(当日開けたパックを使った再現画像です)
環境の印象
もう異界月が出るのに環境の印象もクソもないが……
プレリ参加前にカードプールをざっと眺めた感じ、個人的な色の強度は、
緑 > 黒=白 > 青 > 赤
って具合だったらしい(メモにそうかいてある)。
色の組み合わせだと
1位: 緑青(手がかり)
2位: 人間(緑白)= 狼男(赤緑) = スピリット(白青)
3位: トークン(白黒) = 発掘(黒緑) = ゾンビ(青黒)
4位: ゼロックス(青赤) = 吸血鬼(黒赤) = アグロ(白赤)
こんな感じだった。
赤の評価が異様に低いが、当時の自分は何をかんがえていたのだろう……
ともかく、緑絡みのビートダウンが強いというのは確実に感じていたようだ。
たぶんアーキタイプシナジー重視で全体の線が細い環境だったと睨んでいたんだと思う。シナジー重視の細いアグロはあまり評価していない。
単純なスペックで攻めきれる色を評価している様子だ。
それがプレリを経てどう変化したかはぜひ前回の記事を見てもらいたい。
ともかくカードプールのメモ。
カード画像は公式カードギャラリーからの引用。
カードプール一覧
出たレアは……
わーいソリンさんが光ったよ。ジェイスも引けて嬉しいよ。レア時点では判断難しいので次々プールを見ていく。
で、各色別のカード内容がこちら。
青赤が明らかにスペルクラフトを組めと言っているし、緑白は露骨に人間アグロを組めと言っている。そんなカードプール。
黒は特に強みがなくて漂流している。全体的にマッドネスの種になるカードが不足していて、その煽りを食らっている様子。
環境一回目のプレリということもあり、最初に検討する構築は素直にレアの数でチョイスすることにした。
《ジェイス》《岸の飲み込み》《アヴァシンの裁き》の三枚がスルっと入る青赤スペルクラフトだ。
構築
というわけでできたのがこちら。
UR Rise from the Tides
Creature (10)
《スレイベンのガーゴイル/Thraben Gargoyle(SOI)》
《苛虐な魔道士/Sanguinary Mage(SOI)》
《燃えさし眼の狼/Ember-Eye Wolf(SOI)》
《ケッシグの鍛冶場主/Kessig Forgemaster(SOI)》
《荒原のカカシ/Wild-Field Scarecrow(SOI)》
《薄暮のニブリス/Niblis of Dusk(SOI)》
《溺墓の探検者/Drownyard Explorers(SOI)》
《火の猟犬/Pyre Hound(SOI)》
《嵐乗りの精霊/Stormrider Spirit(SOI)》
《手に負えない若輩/Incorrigible Youths(SOI)》
Spell (13)
《回答の強要/Press for Answers(SOI)》
《ただの風/Just the Wind(SOI)》
《抗えない抑止/Compelling Deterrence(SOI)》
《アヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment(SOI)》
《癇しゃく/Fiery Temper(SOI)》
《霊魂破/Geistblast(SOI)》
《目録/Catalog(SOI)》
《本質の変転/Essence Flux(SOI)》
《岸の飲み込み/Engulf the Shore(SOI)》
《悪魔と踊る/Dance with Devils(SOI)》
《秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets(SOI)》
《灰と化す/Reduce to Ashes(SOI)》
《潮からの蘇生/Rise from the Tides(SOI)》
Lands (17)
8*《島》 8*《山》
1*《ねじれ地帯/Warped Landscape(SOI)》
クリーチャー10枚、呪文13枚! これぞSOI STYLE。
4枚のマッドネス呪文に対して共鳴者が《目録》1枚しかないというシャベー内容。
ともかく生物がいなさすぎて声かけられる奴全員突っ込んどきましたみたいな超ガリガリ打線に期待はゼロ感。3マナ霊魂放逐などいまいち噛み合ってないスペルも強引に入れてなんとかかさ増ししてるわコレ。
でも組んでるときはいや新環境だから分からない、以外といけるかもしれないと半分ぐらい期待していた。
次に並べてみたのがUBタッチR。
UBr Rise from the Tides
Creature (11)
《スレイベンのガーゴイル/Thraben Gargoyle(SOI)》
《グール呼びの共犯者/Ghoulcaller's Accomplice(SOI)》
《トロスタッドの死騎手/Pale Rider of Trostad(SOI)》
《ファルケンラスの後継者/Heir of Falkenrath(SOI)》
《闇告げカラス/Crow of Dark Tidings(SOI)》
《荒原のカカシ/Wild-Field Scarecrow(SOI)》
《薄暮のニブリス/Niblis of Dusk(SOI)》
《溺墓の探検者/Drownyard Explorers(SOI)》
《灰口の雄馬/Stallion of Ashmouth(SOI)》
《マウアー地所の双子/Twins of Maurer Estate(SOI)》
《嵐乗りの精霊/Stormrider Spirit(SOI)》
Spell (12)
《アヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment(SOI)》
《霊魂破/Geistblast(SOI)》
《死の重み/Dead Weight(SOI)》
《殺人衝動/Murderous Compulsion(SOI)》
《回答の強要/Press for Answers(SOI)》
《ただの風/Just the Wind(SOI)》
《抗えない抑止/Compelling Deterrence(SOI)》
《存在の否定/Deny Existence(SOI)》
《目録/Catalog(SOI)》
《岸の飲み込み/Engulf the Shore(SOI)》
《秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets(SOI)》
《潮からの蘇生/Rise from the Tides(SOI)》
Lands (17)
8*《島》 6*《沼》 1*《山》
《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins(SOI)》
1*《ねじれ地帯/Warped Landscape(SOI)》
コンセプトは上と同じく呪文連打からの《潮からの蘇生》。
やっぱり生物のラインナップが栄養失調気味だが、赤と比べた利点としてクリーチャーの共鳴者が2枚使えるというのがある。
BRのレア土地と無色の土地サーチ2枚のおかげで割と安定したタッチができるのもこの色の利点といえる。
スペルクラフトというコンセプトの一貫性はURに劣るが、クリーチャーの勝ち気ならこちらのほうが明らかにありそうに見える。
青絡みをじっくり検討したあと、次に手を伸ばしたのがこれだ。
GW人間。
GW Human Aggro
Creature (18)
《スレイベンのガーゴイル/Thraben Gargoyle(SOI)》
《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》
《厳格な巡邏官/Stern Constable(SOI)》
《町のゴシップ屋/Town Gossipmonger(SOI)》
《物騒な群衆/Unruly Mob(SOI)》
《サリアの副官/Thalia's Lieutenant(SOI)》
《針毛の狼/Quilled Wolf(SOI)》
《荒原のカカシ/Wild-Field Scarecrow(SOI)》
《聖戦士の相棒/Cathar's Companion(SOI)》
《鬱後家蜘蛛/Gloomwidow(SOI)》
《ナッターノールズの隠遁者/Hermit of the Natterknolls(SOI)》
《鼓舞する隊長/Inspiring Captain(SOI)》
《剛胆な補給兵/Intrepid Provisioner(SOI)》
《茨橋の巡回兵/Briarbridge Patrol(SOI)》
《孤独な狩人/Solitary Hunter(SOI)》
《上弦の月の教団/Cult of the Waxing Moon(SOI)》
《ドラグスコルの騎兵/Drogskol Cavalry(SOI)》
Spell (5)
《発生の器/Vessel of Nascency(SOI)》
《天使の粛清/Angelic Purge(SOI)》
《執念/Tenacity(SOI)》
《道理を超えた力/Might Beyond Reason(SOI)》
Lands (17)
8*《森》 8*《平地》
1*《ねじれ地帯/Warped Landscape(SOI)》
23枚め以降のカード:
《ムーアランドの流れ者/Moorland Drifter(SOI)》
《壌土のドライアド/Loam Dryad(SOI)》
《冷静な建築家/Stoic Builder(SOI)》
《茨隠れの狼/Thornhide Wolves(SOI)》
《ガラスの破片/Shard of Broken Glass(SOI)》
紫色が採用を悩む20~23枚めのスロット。
プレイアブルクリーチャー18枚という圧巻の内容!
重要な2マナ域が凹んでいるのが玉にキズだが、生物ラインナップの厚みは群を抜いている(《ムーアランドの流れ者/Moorland Drifter(SOI)》は初環境で昂揚達成率や昂揚後の2/2飛行がどの程度プレイアブルなのか読みにくかったので採用していなかった)。
沼を1枚指して《苦渋の破棄/Anguished Unmaking(SOI)》をタッチすることも検討したが、この内容だとシンプルな金太郎飴の方が強そうに思える(正直《ドラグスコルの騎兵/Drogskol Cavalry(SOI)》さえも投入を迷ったくらいだった)。
難しいのはカラーリング的に相手のボードと真正面から組みあいして圧倒しなくちゃいけないところで、こちらの鉄砲玉が活きるかどうかは環境のp/t平均値にかかっているということだ。
つまりこの環境の盤面の強度を一度体験してみないことにはこの生物ラインナップの立ち位置が判断できないのだ。
悩みつつも最後のチャレンジ、黒赤吸血鬼。
それとタッチ白《苦渋の破棄/Anguished Unmaking(SOI)》バージョン。
さすがに生物足りなすぎぃ!
純正二色のほうは高マナ帯の主力不足からかなり強引に低マナ域のアグロシフトしている。時間と戦線が伸びる前に《放たれた怒り/Uncaged Fury(SOI)》で早々ゲームをたたんでしまおうという思惑だ。
そのために3マナ3/2バニラから下位互換の3/1バニラまで総動員して打線をなんとか構築してあるが、見てのとおり火の車だ。スペルは逆に8枚強、抜けるものがなくて困っちゃうほどあふれており、そのクオリティの1割でも生物に欲しかった。
マッドネスは要求カードに対してやはりエンジンが足りないが(《死の円舞曲/Macabre Waltz(SOI)》まで動員してやっと3枚)、それでもURと比べると安定性はある。
タッチ白の方はミッドレンジの体裁を見せているものの、3マナ以降の生物のラインナップの乏しさがはっきり見てとれる。このクリーンナップで6ターン目以降の戦線を立ち回れるのかは正直怪しい……。
というわけで4パターン+αのデッキが組めた(組めたと表現するのが怪しいクオリティのものもあるが)。
で、メインデッキはどれで挑むべきか?
正直後から振り返ってこうやって並べてみるとどう考えても緑白一択なのだが、プレリ時点では環境の盤面のアベレージがまったく読めない状態だった。
生物のボリュームは3/3が中心になっているが、果たしてこれは相手の盤面を突破できるサイズなのか。戦線は膠着するのか交錯するのかまったく分からなかった。
なので「プレリで迷った時は積極的に新しい戦略を試して遊べ」という自分の信条に従い、二番目に組んだUBrマッドネスをメインデッキに選択することにした。
BRは自分より格上の恐竜と戦わなくてはいけなくなったときのシフトとして、GWは自分より細いが早い吸血鬼と戦うときのシフトとしてそれぞれ選択することにした。
URとは内容的にだいたい互換なので、相手の判断をすこしでも迷わすためにそれ以外だとサイド後は必ずシフトすることにした。
構築時間はあっという間にすぎさり、いよいよ対戦へ。
結果はいかに。
戦績
一回戦目:青赤吸血鬼マッドネス
二ゲーム目は青赤にサイドボードし、《両手撃ち/Dual Shot(SOI)》を投入。勝ち。
○○
二回戦目:青黒ゾンビ
無限《縫い翼のスカーブ/Stitchwing Skaab(SOI)》+《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》とかいう地獄の鬼も泣き出すコンボを食らってボコされる。
こりゃまともに付き合ってられんということで、二ゲーム目は黒赤吸血鬼オールインにサイドチェンジ。ちょっと展開でもたついたらオーメンダール様が降臨して負け。
それでも《放たれた怒り/Uncaged Fury(SOI)》1枚あれば勝ててたので、このカードはほんまヤバイなと思った。
××
三回戦目:赤緑狼男
相手の生物のスペックが高すぎてマウントとられてボコされる。
あれ……今気づいたけど、このデッキ弱い……?
もう最終戦なので思い切って緑白人間にサイドチェンジ。するとみるみる勝ち勝ち。
あれ、なんだこのデッキ超強え。生物頼もしい……盤面とれる……なにこれ……
対戦相手にも「どう考えてもサイド後のほうが強くないですか」と言われる。
×○○
結果は○○×××○○で2-1。
白緑メインにしてたら正直3-0いけてたよね……
結果論とはいえ二ゲーム目にトライすることもできたはず。
環境初期で接触戦闘のアベレージが見えなかったとはいえ、除去を過信しすぎ、生物18枚を安く見過ぎだった。
UBやURのスペルクラフトを使ってみて強く感じたのは、あたりまえだけど除去がいくら潤沢にあっても盤面にクロックが置けない状況で撃つのでは除去の機能としては半分しか活かせていないということ。盤面が弱いままなので時間稼ぎにしかならずにズルズル負ける。今さら気づいたんかそれ?って感じだけど……
そういうわけで一回目のプレリはちょっと残念な内容。
とはいえ、環境のボードアベレージが見えて緑絡みのビートダウンがやれるとわかったのは大きな発見ではある。
その時感じた環境の印象は前回の記事で書いたとおり。
収穫が活きることを願いつつ、一日明けて二回目のプレリに出発。
おかわり参加
というわけで、次の日曜夕方のプレリにも参加。
こっちもカードプールと戦績のメモだけ簡単にしておく。
出たレアが
えー青黒を組めといっていますね。
《ゲラルフの傑作》⇒《秘蔵の縫合体》⇒《神出鬼没の拷問者》とめくれた時はもうなんだよこのプールと一人心のなかでツッコんでいました。
いやまて、まだわからん、コモンアンコ次第だ……と思いながらカードプールをチェック。
その内容がこちら。
悪くない。
多っ。
ちょっと少ないが粒は揃ってる。
スペルが怪しいが生物は及第点。
悪くない。
えー青黒を組んでいいみたいですね。
じゃあ組みます。
できたのがこちら。
おつかれさまでした。
構築時間の半分でスリーブ入れまで終わる。
時間あまり杉内なので赤緑狼男と緑白人間もいちおう試す。こんな感じか。
ボムはないがラインナップが悪くない。赤のスペルが分からん殺ししてくれる。
こちらも同じ、スペルが弱いかわりに生物のクオリティがフライヤーぶん高いか。
一長一短で赤緑とは互換という感じ。
でもあの青黒見たあとではどっちもさすがに使う気しません。
なんだこの簡単構築は……昨日の迷走っぷりはなんだったんだ……
と思いつつも素直に簡単ゾンビマジックをプレイすることにした。
以下戦績メモ。
といいつつ詳細なメモがないので記憶だよりなのだが、さすがに100日前のことなのでそれすら曖昧だ。
第一試合:緑黒ミッドレンジ
勝ちました。
○○
第二試合:白黒ミッドレンジ
一本目はダブルマリガン、二本目は《ハンウィアーの民兵隊長/Hanweir Militia Captain(SOI)》にボコられました。
××
第三試合:たしか赤緑狼男
たしか勝ちました。
○○
○○××○○で2-1。(雑なレポだ)
このカードプールで全勝できないんかいィ!
事故ったとはいえ……マジックむずかしいね。
そんなわけで自分のSOIプレリはこれにて終了。
無事プールのメモも残せてよかったよかった。
というわけで、明日の異界月プレリ行ってきます。
過去のプレリレポ
【TCGデザイン論】 ハースストーンの戦闘システムの特徴と問題点
HSクローン元年
2015年11月のハースストーンの日本語化を皮切りに、
サイゲームスから今年6月17日にリリースされたShadowverse、
タカラトミーから今夏リリースされるWAR OF BRAINSと、
”Hearthstoneクローン”と呼べるようなゲームシステムのデジタルTCGが次々と展開されている。
そこで今、あらためてオリジナルであるハースストーンのゲームシステムについて論考する。その特徴と問題点についてを簡単ながらまとめておきたい。
オリジナルが抱える問題点について語ることは、後発クローンたちが継承しやすい”遺伝病”を予見することにもつながるだろう。
というわけで
(雑なアイキャッチ)
ちなみに自分はデジタルTCGだとハースストーンがいちばん好きだ。
元ネタである紙版のWOW TCG(2005-2013)のリリース時から追っかけていたので、これを含めればもう10年以上の付き合いになる。
「問題点」などと挑発的なタイトルになってしまっているが、ハースストーンのタイトルを攻撃したり貶めたりする意図はない。
この記事は今後さらなる勃興が予想される諸々のHSクローンに向けて、偉大な巨人であるHSのゲームシステムを(それが個別カードとのバランスによって成立していることを軽視して)無思考的にコピーする安直なクローンが登場しなければいいな、というTCGオタクとしてのものすごく狭小な願いから書いている。
2020-04-13 追記:
この記事は2016年、シャドウバースのリリース年に執筆された。
後のハースストーンの拡張アップデートによって、記事内に挙げた問題は軽減されたり、公式から一種の回答が提示されたものもある(たとえば急襲の常盤木キーワード化)。
今となっては陳腐化した部分もあるが、逆説的にそれらのメカニズムがどのような問題意識から生じたのかを読み解ける内容になっているとも思う。2016年当時に発された問題提起にたいして現在のデザインでどのような解決策が提示されているか、未来からの答え合わせとして楽しめるかもしれない。
ハント型戦闘+召喚酔いの組み合わせ
いわゆる「ハースストーン型」の戦闘システムでは、先に盤面にミニオンを着地させたプレイヤーが、展開で遅れを取ったプレイヤーに対して一方的にマウントを取りつづける。
受け手の選択肢は常に攻め手の応手に縛られており、攻守の役割が固定化しやすい。
このゲーム性はHSが採用する2つのゲームシステムの相互作用、
攻撃側にのみ選択肢が与えられるハント型戦闘と、
攻守の役割が固定化されやすい召喚酔いの組み合わせによって起こる。
ハント型戦闘とは「攻撃側が」攻撃対象を指定できる 攻撃側優位の戦闘システムのこと
(その逆は「防御側が」指定できる防御側優位のブロック型戦闘)。
ハント型戦闘は互いの場を荒らしあう殲滅戦指向のゲームになりやすい。
対戦相手のクリーチャーを文字どおり積極的に「狩っていく」ゲーム性になる。
召喚酔いとは場に出たターンの攻撃を禁じる影響制限メカニクスのこと。
即時攻撃の制限は両プレイヤーに対応の猶予を与え、盤面を通じた戦略性とプレイヤー間の相互作用を強める。
またプレイヤーの思考の焦点を現在のターンに集中させる機能がある(即時攻撃が可能だと、常に返しのターンでどう反撃されるかまで予測して動くことが求められる)。
一方で召喚酔いのあるゲームでは、それがないゲームとくらべると攻勢の反転が起きにくくなる(盤面干渉にタイムラグが生じることで攻守の役割が固定化されやすい)。
ボード構築の不平等な選択肢
この2つのシステムの兼ね合いにより、HSの盤面展開は先に着地した攻め手のクリーチャーが受け手が出すクリーチャーに対して常に圧力をかけながら進行していく。
攻め手のクリーチャーは、受け手が出すクリーチャーが召喚酔いで動けないうちに一方的に「狩っていく」選択が可能だからだ。
HSでは攻め手のほうが常に選択肢が多く、展開で遅れた受け手のゲームプレイは盤面への応手という限定的な選択肢に縛られる。
すでに3/3が盤面に着地している場合、受け手に求められるのは3/4以上のプレイか3/3の除去に絞られ、手札の1/1や2/2はプレイの選択肢から消滅する。
出しても一方的に狩られるだけのクリーチャーは、たとえプレイできたとしてもボードの差を広げるだけの無益な選択肢になる。
MtGのようなブロック型戦闘であれば、防御プレイヤーは自分のライフと引き換えに「クリーチャーを守る」「反撃のための盤面を育てる」選択肢がとれるが、HSの戦闘システムではそのような選択肢は受け手側にはない。
攻め手がかならず受け手側よりも多くの選択肢を握る。受け手のボード構築の権利はかならず一度攻め手に渡る。3/3の対面に出した自分の2/2が生き残るかは相手が決める。
ボードクリアを行わない限り、HSでは受け手側に主体的な盤面構築が許されない。
もともと召喚酔いは攻守の役割を固定化しやすいシステムだが、ハント型戦闘と組みあわると、攻守間にある選択肢の格差からその硬直性はさらに拡大する。
※注意してほしいのは、ここでいう「攻め手」「受け手」というのは、「先攻」「後攻」を指しているのではないということだ。盤面に先にミニオンを着地させたプレイヤーを、ここでは「攻め手」と呼んでいる。
なので「先攻だが受け手」というのは成立するし、実際のゲームでもそのような展開はありふれている。だからこの記事ではハースストーンの《コイン》については言及していない。
コインが調整するのは先行後攻の格差であり、攻め手受け手の不平等ではないからだ(コインによってボードを取られた受け手が盤面構築の選択肢を手に入れるわけではない)。
ボードスイングのパッチとしての火力
そのためHSではテンポをとれる軽い除去、火力が全クラスに渡されている。たとえば武器はライフを支払って撃つ火力の一種とみなせる。
応手側はこれらのテンポで勝る軽量除去を駆使して、攻め手優位のボードを更地にした上で切り返す(スイングする)。これがHSのゲームバランスの基本構造になっている。
つまりHSではシステムが内包する攻守のワンサイドゲーム性に対して、軽量除去などの個別カードにその調整パッチ的な役割を担わせていることになる。
翻せばそれはボードスイングできるかを特定カードの引きに依存しているということでもある(引きムラによる運ゲー性の内包)。
通常の構築戦ではこのようにパワフルなスイング用のカードを潤沢に採用できるため、ハント型戦闘+召喚酔いが持つ本質的な硬直性については気づきにくい。
一方でアリーナなど使える除去が限定的なフォーマットになると、こうしたHSのプリミティブなゲーム性、すなわち攻め手の一方的なマウントと受け手の選択肢制限が色濃く現れる。
先に盤面に展開されるとあとは攻め手に延々とボードクリアされつづけ、受け手は一度も攻めに回れないままゲームが終わることが、特にアリーナではしばしばある。ライフ30対0のパーフェクトゲームも、アリーナでは別に珍しくない。
そのようなゲームでは、敗者は相手の盤面への対応に終始し、主体的に盤面にアクションをはたらく機会を一度も得られずに死んでいく。
参考リンク:
Lose Moreの戦闘システム
このように、一度優位に立った側が次の優位もどんどん手にしていくようなゲーム性をゲーム用語でWin More/勝ちっぱなしというのだが、この場合は劣位側の視点からLose More/負けっぱなしと呼ぶべきだろう。
戦闘システムに関して言えば、ハースストーンはLose More性の強い格差拡大ゲームと言える。
これがハント型戦闘だけで召喚酔いがなければ、あるいは召喚酔いはあっても防御側が指定するブロック型戦闘であれば、ここまで負けっぱなしなゲーム性にはならなかっただろう。この2つは相互作用によってLose More性を強化する。
もちろん勝ちっぱなし/負けっぱなしはそれ自体が否定されるべきものではなく、単にオプショナルなゲーム性の一つでしかない。
ただ「負けっぱなし」による主体的な選択肢の喪失や勝ち筋の排除されたゲームは、敗者にストレスフルなプレイ体験を刻む。そしてその不利益をもっとも強く被るのは、ほとんどの場合「負けて覚えていく」初心者である。
付けくわえると、その「負けっぱなし」をもたらす展開の遅れ/ボードスイープできるかという重要な決定が、HSではすべて序中盤のドロー運に強く依存しており、そのことも理不尽さを強調する要因になっている(自分ではどうしようもない事故性の内包)。
※ つまり「負けっぱなし」の理不尽さは戦闘システムだけでなく、HSが採用するリソース制度との兼ね合いによって拡大されている部分がある(後述)。
なにが問題なのか
フィードバックのある敗北はさらなるゲームへの没入を促すが、理不尽な敗北はゲームに参加する意欲を削ぐ。
重要なのは実際にゲームが理不尽であるかどうかではなく、それをプレイヤーが感じやすい構造になっているかどうかだ。
これは単純な運要素とは別レイヤーの問題だ。
そしてHSの戦闘システムは上記のとおり、プリミティブなレベルで強いLose Moreの理不尽性を内包していると自分は考える。
記事の主題に立ちかえり、「ハースストーン型」の戦闘システムの問題点が何かと問われれば、この選択肢の不平等=劣位に立つと主体的な盤面構築の権利が奪われることと言える。
主体的な盤面構築の権利が奪われるということは、ことシナジーが重視されるTCGというゲームジャンルにおいて、ゲームそのものへの主体的な参加権が奪われることに近い。
どのようなパッチが考えられるか
ではHS型の召喚酔い+ハント型戦闘システムが持つ「負けっぱなし性」に対して、後発のクローンも含めてどのようなパッチが考えられるだろうか?
たぶんTCGオタクならだいたいこういうことを考えるんじゃないだろうか。
- 受け手がもっとボードスイングしやすくする(選択肢制限が一方だけに持続しないように、攻守が容易に入れ替わるようにする)
- 受け手になっても主体的にボードを構築できるようにする(選択肢制限そのものを弱める)
たとえば後発のクローンであるシャドウバースが採用したシステムを見てみると、進化システムは前者の文脈、アミュレットは後者の文脈で考えられる。
進化……2マナ相応のサイズアップ+相手ミニオン限定の速攻殴り返しは受け手の切り返しを確約し、
アミュレット……攻撃されないパーマネントは相手がボードを握っている状況でも攻撃対象になることがないため、後出しで盤面に投げこんで主体的なボード構築の起点にできる。
これが負けっぱなし問題に対する完璧な回答となるかはさておき、後発は後発なりにオリジナルが抱えるLose More性にたいしてシステムレベルでのテコ入れが可能だと分かる。
1.受け手がボードスイングをしやすくする
スイング性強化の方向性であれば、進化のようなミニオン限定の即時殴り返しをシステムレベルで付与するのがいちばん明確でわかりやすい。
だがあまりにも大量に配るのであればそのゲームは最初から召喚酔いを採用するべきではない。
また進化はマナと別のリソース(EP)を消費して行う追加アクションでもある。
この視点から、クリーチャー召喚とは別のコストで追加のボードアクションが行えればスイング性が上がる、と考えることもできる。たとえばクリーチャーの召喚と呪文の使用に用いるリソースが別であるとか。
ボードスイングを要素分解すれば「ボードリセットと展開の両立」になる。リセットと展開を同じリソースで並立させなければならない場合、受け手は除去した後に残った限定的なマナで盤面を構築しなければならない。
そのため使用できるリソースが一元化している場合、手持ちのリソースすべてを展開に注げる攻め手がハント型+召喚酔いシステム下ではどうしても優位になりやすい。
システムレベルで戦闘システムを調整する場合、だいたいは盤面構成やクリーチャーの制限を調節する方向に意識が向かいがちだが、実はリソース設計に手を入れるというのが解決策の一つになりうる。
2.受け手になっても主体的にボード構築できるようにする
ボード構築の選択肢を維持するのであれば、アミュレットのような攻撃を受けないパーマネントを作ったり、あるいは盤上に前列/後列のような攻撃を受けない安全地帯の要素を加えるのがいちばんわかりやすい。
あるいは盤面以外に蓄積するリソースをいくつか用意し、召喚することでそれらを得る、というアプローチもある(たとえばSVのスペルブーストはこの文脈上といえる)。
とはいえ、これは厳密にはボードを構築しているのではなく「次ターン以降のスイングを予約している」手法に近い。
要は後出しでも攻め手に先制攻撃されないパーマネントが出せれば、受け手もボード構築に対して一定の主体性を保持することになる。
回避能力というパッチ
システムレベルではなく個別カードレベルでのパッチを考えるなら、軽い除去によるスイングだけでなくこういった後出しでも先制攻撃を受けない方向でもっとアプローチがあっていいように思う。
つまり先制攻撃を回避するキーワード能力(回避能力)をもっと設計してカジュアルに配布するという方法だ。
もちろん回避能力ならすでにHSにも隠れ身(SVでは潜伏)があるが、隠れ身は攻撃のみならず呪文まで避けてしまうので回避能力としては強すぎ、そのせいでカジュアルには付与できない問題がある。
除去避けの追加クロックとして攻め手も利用できるので格差調整にならないし、《動く鎧》のようなシステムクリーチャーと相互作用のトラブルもある。
なので隠れ身よりも少し弱く、よりカジュアルに付与できる回避能力を設定するといいんじゃないかと思う。数ターン限定かつ攻撃からのみ守れる隠れ身、ぐらいの弱さでいい。
たとえばMTGには潜伏という回避能力があるのだが(この流れで出てくるとシャドウバースのヤツとすごく紛らわしい)、これをHS風に翻訳するとこうなる。
能力名は警戒でも俊敏でもなんだってよい。
完全な回避能力ではないが、これぐらいの弱さが広範に付与しやすくてちょうどいいんじゃないかと思う。
回避能力はバフと組みあわさると対処困難なファッティを作るのが厄介だが、潜伏のいいところはそのようなトラブルを生み出さないことだ(強化されるほど効果がなくなる)。
このような能力がカジュアルにもっとあれば、後出しでサイズが劣るミニオンを展開する(そして次ターン以降のボード構築の起点にする)、というプレイが選択肢としてより有用になりうる。
またこの種の回避能力が面白いのは、盤面の支配力=ミニオンのスタッツという単純な図式に揺らぎや幅を与えてくれる点だ。ボード上での評価軸をミニオンのサイズ以外で新たに設計できるようになる。
回避能力がカジュアルにあれば、サイズの大きいミニオンと小さいミニオンが併存して殴りあうような盤面が生まれやすくなる。つまりダメージレースになる展開がより多く発生する。
それはほとんどのゲームが殲滅戦で進行するHSのプレイ体験に広がりと多様性を与えてくれる。
とおもったけど、この潜伏だと挑発付与と組みあわさったときに盤面によっては相手が除去できなくてハーフロック状態になりうるね……。
となるとやっぱり1ターン限定で呪文は通るような弱い隠れ身を安価な回避能力として設計し、カジュアルに配布するのが個別カードレベルでは一番丸いのかなと思う。
まとめると……
ハースストーン型DCGが採用する「召喚酔い+ハント型戦闘」の構造上の問題、Lose More性に対しては
1.受け手がボードスイングをしやすくする
2.受け手がボードを握られていても主体的に盤面構築できるようにする
という2つの修正が考えられる。
1については、個別カードレベルだと「テンポに優れた除去」「限定的な即時殴り返し」などを広範に配布する、というものがある。
またゲームシステムレベルでの調整としては、副次的な方法として「リソース体系を変える(分化させる)」というアプローチもある。
2については、個別カードレベルだと一方的なハントから守る「回避能力」をカジュアルに配る、「ボード以外に蓄積するリソースを用意する」というのがある。
ゲームシステムレベルでメスを入れるなら、「盤面構成を変える(攻撃されない安全地帯を設ける・前衛後衛など)」というのが基本になる。
最後に宣伝
twitterでも色々つぶやいています。
よければフォローやリツイートをお願いします。
ロクターオガー!
— I LOVE TCG (@twitTCGer) 2016年7月15日
しばらくしてからSVの問題点も書きました:
【MTG】 イニストラードを覆う影 深夜プレリ行ってきた 環境の印象
あとでちゃんとしたプレリレポ上げます。
とりあえずSOIシールド環境の印象をざっとメモがわりに。
- 部族含めたシナジー前提のためカードパワーが全体的に低下し、単体で盤面を制圧できるパワーカードはほとんどない印象。
BFZシールドみたいに「雑なミッドレンジ組んどけ!」みたいな最適解がなくて面白い。
細く見えるアグロ戦線にコンバットトリックを加えてどうにか勝ち筋とするような、ピーキーな構築が求められたりする。接触戦闘/コンバットトリックの重要度は高そうに見える。
- シールドではアグロが強いと感じた。
盤面を切り返すパワーカードの不足から、他よりもミッドレンジの構築難易度は高い気がする。緑以外4~5マナ域のスペックがそこまで高くなく、序盤優位のアグロにそのまま押し切られることも多い。
- なかでも白緑人間、赤緑狼男が構築難易度の割にかなり強いような感覚。
シールドだとピックを偏らせることができないので、特定のカードやギミックに依存しない(役割を代替できるカードがコモンに多い)アーキタイプが強い。 - アグロだと吸血鬼もブン回りがあってクソ強いが、こちらは共鳴者への依存度が高いためプールが噛み合わないと組めないので上2つには並ばない(うまく組めたら強いが、それは他の二つと同じこと)
- 青黒ゾンビは構築難易度がもっとも高いが、シナジー密度の高いデッキを組めたらいちばん強い。
共鳴者から奇襲的に降ってくる除去とマッドネス、EoTに墓地から無限に蘇る二種類の高打点ゾンビは悪夢としか言いようがない。普通のアグロやミッドレンジでは勝てる気がしない。 - 個人的な色の評価はこんな感じ。
カードプールの受けの広さ、構築の安定性で評価。
白 > 緑 >>> 赤 > 青=黒
青は低マナ域の生物が他よりも一回り弱くて序盤の防衛力を他の色に依存する。
黒は逆に4~5マナの生物群にクセがあって雑に突っ込むのが難しい。
それに対して白・緑の生物群は(白はややアグロに偏っているが)どの帯域も受けが広い。
赤は除去の性能がよい。5マナ狼男+Caged Fury(2R二段攻撃インスタント)による突然死もある。
- 個人的なシールドのアーキタイプ評価は、今のところこんな感じ。
プールへの依存度が低くて安定性が高いという点で評価。
1番手:緑白(人間アグロ)=赤緑(狼男ミッドレンジ)
2番手:黒赤(吸血鬼)=緑黒(昂揚ミッドレンジ)=青緑(手がかりミッドレンジ)
3番手:白青(飛行テンポ)=白赤(オールインアグロまたは除去天使)
4番手:青黒(マッドネスゾンビ)=白黒(昂揚ミッドレンジ)
ドベ:青赤(ゼロックス)
もっかいプレリ参加したら印象変わるかも。 - 自分は前イニストラードのリミテやったことなかったので今回が初イニストラードなんだけど、変身があるのでカードの強度(カードのゲームエンド力やゲームプラン)が構築段階ではかなり読みにくかった。
このデッキは強いのか? 勝てるのか? が測りにくい。
基本的に変身カードは夜の面で勘定して構築するべきだと今回初めて解った。
構築段階でのシナジーだけは昼の面を見るが、あとは夜の面のゲームエンド力を見る。
ちなみに自分がプレリで引いたレアはこれ。
わーいソリンさん(キメポーズ)が光ったよ。ジェイスも引けて嬉しいよ。
で、組んだのは……
1.青赤《潮からの発生》。
ジェイスもいたし、どうしても組んでみたかったので組んじゃった。
スペル12枚、生物10枚のクレイジーデッキ。
ただ共鳴者が《目録》1枚しかないのにマッドネス呪文が4枚入ってる悲しいプール。全体バウンスとトークン発生呪文の噛み合わなさもすばらしい。アヴァシンの裁きが泣いている……
使ってて楽しかったのは楽しかったけど、やっぱり相当ピーキーで安定性はない。最後の選択肢って感じだ。
あたりまえだけど、除去は自分の盤面にアタッカーがいないと機能半減。
2.黒赤吸血鬼
これはオールインアグロ版で、タッチ白して《苦渋の破棄》入れるバージョンも作った。
ただ見てわかるとおり3マナ生物がたりなさすぎて、なんとも不足感の強い内容になっている。3マナ3/1バニラのカカシを入れようか迷うレベル。
さすがにこの生物のラインナップでは勝てなかったが、それでも爆発力はある。
火力と共鳴者があれば赤黒になり、それらのかわりに狼男+《放たれた怒り》または《溶岩の地割れ》があれば赤緑になるのが基本。
3.白緑人間。
たぶん自分のプールでいちばんつよいデッキ。こういうデッキが今回は強い。
スペルいらん! マナカーブ順序良く展開して殴っていくだけ!
白と緑コモンにはそれぞれ4マナ3/3のcip人間が1人ずついて、こいつらを有効活用できるプールを引けるかどうかが白緑人間の鍵。
つまり3マナ以下の人間の総数。 このデッキみたいに12~13枚くらいとれていると並のカードから一気にパワーカードになる。
4.青黒t赤マッドネス
どうしても《潮からの蘇生》ドリームを諦めきれなくて組んじゃったデッキ。
見よ、この高マナ域生物のラインナップの貧弱さを!
当然だけど勝てませんでした……。
やはりメインボードは生物の数がどの帯域もまんべんなく揃ってる丸い組み合わせを選ぶのがいいよ……
自分の土曜プレリそんな感じでした。構築プールと詳細なレポはまた後日!